円柱座標系の基底関数系を用いたSCF法による 円盤銀河のシミュレーション

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円柱座標系の基底関数系を用いたSCF法による 円盤銀河のシミュレーション 滋賀大学教育学部 穂積俊輔

はじめに ●高精度位置天文データ ⇒高精度銀河モデル ⇒(大規模)高精度シミュレーション ⇒安定性、力学進化などの理解

無衝突系のN体計算 ●N→∞の系をN粒子系として扱う方法 ☆2体緩和の影響 ●分布函数 f (x, v, t) の変形 ●円盤=回転運動に支配された“冷たい系” ⇒回転エネルギーをランダムエネルギーへ転化 ⇒速度分散の異方性を等方化 ☆重力法則(Newtonian force)の修正 ●重力ソフトニングεの導入 (特に、円盤系の)力学特性の歪曲

Self-Consistent Field Method ⇒粒子は重力場を求めるための サンプリング・ポイント ●系の密度とポテンシャルを直交基底関数形で展開してPoisson方程式を解く方法

Particle Distribution at t Particle Distribution at t+Δt S C F Simulation Method Basis Set : Particle Distribution at t Multiply it by Obtain Expansion Coefficients Anlm Suitable Integration Scheme Compute Accelerations a(r) Particle Distribution at t+Δt

Effect of Softening ●m=2 mode of a 2D (zero thickness) isochrone disk 2x(pattern speed) growth rate Polar grid code with N=120,000 linear analysis linear analysis Earn & Sellwood, 1995, ApJ, 451, 533 SCF simulations (ε=0)

SCF法の特徴 ●純粋ニュートン力による重力相互作用(ε=0) ●重力場(field method)を計算 ⇒1個のN体問題をN個の1体問題に還元 ⇒無衝突系の特性を反映 ●並列計算に適合(perfect scalability) ●計算時間∝N×nmax×lmax×mmax 加速度:

円柱座標系の基底関数系 ●Earn (1996, ApJ, 465, 91)の方法 ●基底関数系(kとhは連続) ●密度とポテンシャル を満たす   と   の組 (Jm(x): Bessel functions)

z方向の基底関数系の正規直交化 正規直交性(bi-orthnormality)の条件 (                   ) 展開係数: の逆行列    を                から求める

連続な基底関数系の離散化 k積分とh積分の離散化 逆行列の計算 係数の計算 ポテンシャルの展開 (           )

円盤銀河のシミュレーション 円盤モデル=exponential disk ハローモデル(外場)=NFW halo with z0=0.0698h with Mh=63.7Md

SCFシミュレーション 基底関数系 粒子数: N=3,000,000 展開項数 半径方向: nmax=32 角度方向: mmax=16 z方向   : lmax=24 (             を満たす   と   の組)

Time Evolution of the Disk y (kpc) x (kpc) Md=3.18x1010 Msun, h=4.3 kpc, time unit = 4.7 Myr

密度分布の時間進化 SCF simulation tree-code simulation t =100 t =200 t =300

半径方向とz方向の力 <fr> <fz>rms <fr> <fz>rms t=0 t=0

円盤の厚みの時間変化 SCF simulation tree-code simulation t =500 t =500 t =0 t =0 <z>rms <z>rms t =100 t =100

まとめ ●SCF法 ○重力場を与える方法 ⇒“無衝突系”をシミュレーション ○純粋Newton力による円盤の進化を追跡 ○完全な並列性 ⇒大規模計算が可能 ●円柱座標系の直交基底関数系を用いたSCF法を円盤シミュレーションに適用 ○tree-codeとの比較 ⇒結果の同等性を確認