子どもの性格は生まれつき? ー性格の決定因と発達ー 第7章 子どもの性格は生まれつき? ー性格の決定因と発達ー
道案内 1 準備 (0) 授業を始める前に * (1) 発達心理学とはどんな学問か? (2) なぜ発達心理学を学ぶのか? 1 準備 (0) 授業を始める前に * (1) 発達心理学とはどんな学問か? (2) なぜ発達心理学を学ぶのか? 2 知覚の発達 (3) 子どもに世界はどう見えるか? 3 認知の発達 (4) 子どもはものごとをどう理解するか (5) 子どもは心をどう理解するか 4 感情の発達 (6) 子どもを愛すること 5 性格の発達 6 社会性の発達 (8) 人間関係の中で育つ (9) 自己意識と発達課題 7 発達上の問題 (10) 子どもに見られる心の問題 8 まとめ (11) まとめ * (7) 子どもの性格は生まれつき?
メインメッセージ7 性格形成には「経験」も重要 人間の可能性を信じよう
性格の構造 気質 狭義の性格 役割的性格 (ペルソナ)
気質とは? 乳児の行動特性 (Thomas & Chess, 1986) 周期性 接近・回避 反応性の閾値 気の散りやすさ 注意の範囲と持続性
役割的性格とは 監獄実験 (Zimbardo et al., 1986)
監獄実験(Zimbardo et al., 1986)
性格の測定 質問紙法 小学生用5因子性格検査 (曽我, 1996) 協調性 統制性 情緒性 解放性 外向性
性格とは何か? 性格 行動 原因 結果
性格とは何か? 性格 行動 行動 行動 行動 行動 行動
サブメッセージ7.1 性格が行動を決めるのではない 行動傾向そのものが性格である
2 遺伝からの影響 遺伝と環境 ー氏か育ちか?ー Sternの輻輳説 遺伝 環境
遺伝と環境 ー氏か育ちか?ー 相互作用説:遺伝子は可能性を決める
2 遺伝からの影響 (1) 双生児研究 異なる環境で育った一卵性双生児、二卵性双生児を比較する
2 遺伝からの影響 相関係数 180 ● ● ● ● ● 兄 相関係数 0.9 ● ● ● ● ● 一卵性 双生児 ● ● ● 180 弟
双児はどの程度似ているか? 指紋隆紋数 身長 知能 外向性 神経質 宗教性
2 遺伝からの影響 [データ7.1]双生児の卵性による個性の相関
2 遺伝からの影響 X + Y = 0.91 0.5X + Y = 0.55 X=0.72 Y=0.19 Z=0.09 遺伝寄与率の計算 2 遺伝からの影響 遺伝寄与率の計算 遺伝の寄与率 X 共有環境の寄与率 Y 非共有環境の寄与率 Z X + Y = 0.91 一卵性 0.5X + Y = 0.55 二卵性 X=0.72 Y=0.19 Z=0.09
2 遺伝からの影響 [データ7.2]個性への遺伝寄与率
サブメッセージ7.2 遺伝と生後の環境の組み合わせで子どもの性格は変化し続ける
3 環境からの影響 (1) 野生児研究 ある程度の年齢まで社会的に隔離された子どものその後の成長を記録する
3 環境からの影響 (2) 親の養育態度 [実習7.2] 親子関係尺度 男性 女性 子どもの受容 7.33 8.35 社会性の促進 8.63 3 環境からの影響 (2) 親の養育態度 [実習7.2] 親子関係尺度 男性 女性 子どもの受容 7.33 8.35 社会性の促進 8.63 9.04 子どもへの不安 6.32 6.93 子どもの統制 4.72 4.86
親子関係尺度 支配・統制 高 過干渉 過保護 高 受容 低 放任 溺愛 低
親の養育態度と子供の性格
サブメッセージ7.3 子どもの性格には養育者の態度も関係する
メインメッセージ7 性格形成には「経験」も重要 人間の可能性を信じよう