軸対称近似を用いたしごきスピニングの 有限要素シミュレーション 塑性加工研究室 野中 孝之 ローラ 局部的な変形 低い加工荷重 肉厚分布を容易につけられる 3次元有限要素法 膨大な計算時間 加工前 加工後 軸対称近似 計算時間の短縮
軸対称近似を用いた しごきスピニングの近似3次元モデル マンドレル ローラ ブランク z y x しごきスピニング z r θ 軸対称近似
円周方向に対する半径方向のせん断ひずみ マンドレル ΔLa ブランク ローラ せん断ひずみ速度 速度0 Lθ ra vr D:ローラ直径 α:ローラ傾き vr:半径方向の速度 Lθ:ローラとの接触長さ
円周方向に対する軸方向のせん断ひずみ Lθ vz ブランク マンドレル ローラ接触部 速度0 せん断ひずみ速度 vz:半径方向の速度
ローラの軌跡のモデル化 マンドレル 押込み量ΔL r 見かけ上のローラの動き ブランク 送り速度v vp 圧下方向の速度 押え ローラ t:マンドレル1回転の時間
剛塑性有限要素法 汎関数 min. :相当応力 :摩擦せん断応力 :相対すべり速度 相当ひずみ速度 円周方向のせん断ひずみ
計算及び実験条件 ブランク形状 35° φ72 14.0 1.8 2.0 変形抵抗 (純アルミニウム) ローラ直径 86mm ローラ先端半径a 2, 5, 8mm マンドレル回転角速度 5.4rad/s 送り速度v 0.10mm/s 肉厚減少率R 10~30% ブランク形状 35° φ72 1.8 2.0 14.0
シミュレーションによる断面の変形挙動 計算時間:約20分 Pentium4 1.5GHz マンドレル ローラ 押え 送り速度v:0.10mm/s 肉厚減少率R:30% ローラ 押え 計算時間:約20分 Pentium4 1.5GHz
実験方法 ブランク 押え ブランク マンドレル φ72 φ60 マンドレル 刃物台 ローラ 旋盤主軸チャック 35° ローラ 送り速度V
スピニング加工されたディスク (a) s=0mm (b) s=5mm (c) s=21mm 盛上り 断面(s=5mm) 底反り
断面形状の計算と実験結果の比較(a=5mm,R=30%) 底反り 盛上り (a) s=5.0mm 計算 実験 フランジ反り (b) s=10.0mm
盛上りの計算と実験結果の比較(s=5mm) 盛上り率 実験 t:ローラ直前の肉厚 t0:初期肉厚 a:ローラ先端半径
底反りの計算と実験結果の比較(s=5mm) 底反り率 計算 実験 ブランク u tb0:底部初期肉厚
加工限界の予測 加工可能 盛上り率35%で 加工荷重過大 加工限界 加工不可能
まとめ しごきスピニング加工において,軸対称近似と円周方向のせん断ひずみを考慮したモデルによる近似3次元有限要素法を提案した. 近似3次元有限要素法による計算時間は約20分であり実加工に適用できる. ローラ前方の盛上り及び,ディスク底部の反りを計算において再現できた. 近似3次元有限要素法により実験装置の加工限界を予測した.