認知学習論 これからの教育と マルチメディア教育支援
認知的学習と教育 内発的動機づけ 概念変化 発達最近接領域(Zone of Proximal Development) 外的報酬では真の学習をもたらさない 概念変化 人が素朴に誤認識を修正するには概念変化が必要 しかし概念変化は簡単には起こらない 発達最近接領域(Zone of Proximal Development)
学習者の自発的学習をはぐくむ教育 内発的動機づけ、概念変化、発達の最近接領域の3つのキーワードを取り込んだものであるべき
概念変化を助けるには 留意事項 子どもが当該の領域についてどのような認識(メンタルモデル)を持っているか それが科学的に正しいモデルとどのように矛盾しているか
概念変化を助けるには 留意事項(2) 当該の教科内容が適切なレベルにあり、子どもにとって認知的準備ができている状態(Zone of Proximal Development)にあるか どのようにしたら子どもに自分の誤認識を自発的に気づかせることができるか?
動機づけを高めるには 学習活動に「意味」をもたせる コラボレーション 細切れの互いに関係ない、文脈のない問題を解くことの連続ではなく、日常生活場面に即して子どもが問題解決を必要とする場面を設定する。 コラボレーション ただしコラボレーションの質は重要
マルティメディア マルティメディアをどのように生かすか アメリカVanderbilt大学のJasper Project 数学だけでなく理科など他領域の科学の知識学習もリンクさせる クラスルームで教材として用いて、クラス(あるいはグループ)でJasperになりかわって問題解決
何故学習が文脈に埋め込まれないといけないか 子どもは問題解決の意味が見いだせない算数の文章題は足し算、かけ算、わり算などの自分が知っている演算に機械的に数字を放り込むことしかしない
子どもの算数の文章題の 解決例 典型的な答えは8+9+4=21 トニーはサマーキャンプにバスで行きます。バスには彼の他に8人の子どもが乗っていました。バスは一時間に9マイルの速度で走り、4時間かかりました。キャンプは彼の家からどれだけ離れていましたか? 典型的な答えは8+9+4=21 Q:何故みんな足したの? A:Howって聞かれたら、足すことになっているから。
解決例(2) 「船には26匹の羊と10匹のやぎがのっています。船長の年は何歳ですか?」 3/4の子どもは問題が意味をなさないことに気づかず、26と10を足したり、引いたり、かけたり、わったりして、なんとか数字で答えをだそうとした。
何故学習が文脈に埋め込まれないといけないか(2) しかし日常的には数学を使った問題解決を必要とする場面は非常にしばしば存在する。 朝8:30に町の反対側にあるレストランに行くには? レストランは何キロ離れているか? 何時に家を出て、時速何キロの速度で運転すればよいか?
文脈を超えて しかし、特定の文脈でのみ数学の問題解決ができるのでは不十分。 文脈の埋め込まれた問題解決を数多く経験することを通じて知識が構造化、再記述化されて、異なった文脈で、それぞれに必要とされる演算を即座に発見し、柔軟に問題解決ができるようになることを目標としなければならない。→宣言的知識の手続き化
文脈を超えて(2) マルチメディア教材はそのためのアンカーとして使われるべき(マルチメディアを使うこと自体を目的にしてはならない) マルティメディアを使うことで動機づけを高める効果はあるが、長期的な、よく練り上げられたコンテンツを支える道具として使われないと長期的な効果は薄い。
参考になるWeb Pages Jasper project http://peabody.vanderbilt.edu/projects/funded /jasper/Jasperhome.html http://peabody.vanderbilt.edu/projects/funded /jasper/intro/Jasperintro.html Northwestern Covis Project,Letus Project http://www.covis.nwu.edu/geosciences/activities /projects/what-is-a-project.html http://www.letus.org/
つづき Skymath Project コンピュータを用いた教育プログラムリンク集 http://www.unidata.ucar.edu/staff/blynds/ Skymath.html コンピュータを用いた教育プログラムリンク集 http://jun.on.arena.ne.jp/playlink.html