JTにおける企業価値創造 2016年12月4日 HFLP C E班
⇒ 国内市場のピークアウト、海外ブランドとの競合激化 事業環境評価(1990年代半ばまで) 海外市場: 米国伸び悩み、中国・インド・ブラジル伸び始め 国内市場: 1985年販売自由化、円高 1987年関税撤廃 1996年販売本数ピーク JT設立 : 1985年設立 1994/96年 政府、保有株式を放出 1992年英マンチェスター買収(RJRIは1999年) 財務状況: 売上高は横這い、利益は微増。時価総額横這い、 ROE横這い(⇒1996年までに国内9工場の閉鎖) ⇒ 国内市場のピークアウト、海外ブランドとの競合激化
1.成長戦略の選択肢および課題 たばこ事業で海外進出(たばこ事業の国際化) ⇒ 輸出・現地販売モデルから、各国市場でバリューチェーン 全てを有する業態への転換。 ⇒ 先進国での広告販促規制(ブランド立ち上げの難しさ) 新規事業(飲料・食品・医療) ⇒ 加ト吉買収の判断、飲料事業(例:桃の天然水) (課題) 資金調達力、ディール遂行能力、買収後の経営能力 過剰在庫の解消(BS改善)、社内協力態勢の構築
2ー①.M&Aに取り組んだ理由 M&Aに取り組んだ理由 ⇒ 大型重機で道を作る 販売自由化(海外ブランドとの競合激化)、 国内市場ピークアウト、 円高による輸出競争力の低下
2ー②.M&Aターゲットの絞り込み グローバルな主要プレーヤーとなるためのターゲット絞り込み ① 買収目的を果たすことができるか? グローバルな主要プレーヤーとなるためのターゲット絞り込み ① 買収目的を果たすことができるか? ② 買収プレミアムを超えるシナジーを実現できるか? (スクリーニング基準) ~ ギャラハーの例 ブランドと市場の補完性の高さ 経済合理性を全うできる蓋然性の高さ 買収後の円滑な統合実施の蓋然性 (目的) 規模拡大によるスケールメリットの享受 両社の補完性を活かした競争力強化 技術・インフラの強化 有為な人材の獲得(M&Aは究極の経験者採用)
3.国内事業構造改革の実践および可能だった理由 何故黒字の時に改革できたのか? 連面と受け継がれる企業文化(伝統・風土) ⇒ 唱えている本人に実行を委ねる。 社長直轄PT「改革推進本部」発足 ⇒ 経営の危機感共有、成果をまとめたもの「JT PLAN V」 ⇒ 財務企画部設立(経営管理機能、財務機能、財務戦略) 若い世代の育成(後進に譲る) ⇒ 業績が良いうちに希望退職(退職パッケージを提案) ⇒ これまで貢献した人々を軽んじない「品格ある風土」
4ー①.JTは何を革新させたか? JTの成長戦略からの学び 4ー①.JTは何を革新させたか? JTの成長戦略からの学び M&Aプロセスの革新(経験値アップ) ⇒ 「青写真」の早期作成・実践 ⇒ 統合管理体制・準備 ⇒ 社内コミュニケーション 適切なガバナンスを前提とした「任せる経営」 ⇒ 「経営の見える化」(意思決定の見える化、経営情報の見える化) ⇒ オペレーションの根幹:責任権限規定(JT本社の承認事項明記) 財務部門の機能強化(CFOの役割明確化) ⇒ 資本政策立案、財務課題発掘、経営管理、クロスボーダー税務、 財務人材マネジメント
4ー②.JTは何を革新させたか? JTの成長戦略からの学び 4ー②.JTは何を革新させたか? JTの成長戦略からの学び JTIは日本企業と欧米企業の長所をブレンド ⇒ 欧米:戦略フレームワーク、日本:ベストプラクティス ⇒ 役員レベルでのクロスファンクショナルな協業とリーダーシップ <JTの成長戦略の学び> CFO(財務機能)の強化 経営層の意思疎通 任せる経営(統合十か条) 自社でやりきる(当事者意識) 人へのケア(リストラおよび統合時)
5.質問 何故、今まで出来なかったM&Aが1999年に出来たのか? 英マンチェスター買収など小型ディールの成功体験か? 「任せる経営」を実践できる企業文化をどう醸成できたか? 「任せる経営」とガバナンスとバランスをどう保つのか?サジ加減? 成長戦略における新規事業の位置づけ・取り組みは?