第4章 何のための評価?
道案内 (4) 何のための評価? ♢なぜ教育心理学を勉強するか? (0) イントロダクション ♢効果的な授業をするために (1) 記憶のしくみを知る (2) 学習のしくみを知る (3) 「やる気」の心理学 ♢生徒を正しく評価するために ♢生徒の心を理解するために (5) 性格とは何か? (6) 性格の測定 ♢生徒の心の問題に対処する (7) 心の病気とは何か? (8) 心の病気を治療する (9) 行動マネジメント ♢教育問題に対処する (10) 教育問題
メインメッセージ4 何のために評価するのかを よく考えよう
1 評価の目的 何のために評価するのか? 選抜、振り分けのため 児童の学習のため 教師の指導のため
サブメッセージ 4.1 自分の行なう評価は何の ためなのかよく考えよう
3 評価の基準 絶対評価 評価者が設定した基準との比較
到達度評価 外的・客観的に設定された達成目標との比較 絶対評価 認定評価 評価者が個人的に設定した基準との比較 (例)学習指導要領 (例)大学の定期試験
3 評価の基準 絶対評価 相対評価 他者との相対的な比較 評価者が設定した基準との比較
集団内の相対的な位置を示す 絶対評価と相対評価 偏差値 [ 実習 4.1]
偏差値の求め方 全体のバラツキを求める 標準偏差
偏差値の求め方 A 組 { 80,70,90,65,70,60,60,75,60,70} 平均値 70 B 組 {100,20,40,90,50,90,85,85,60,80} 平均値 70 A子A子 B子B子
偏差 =個人の値 − 平均値 A 組 { 80,70,90,65,70,60,60,75,60,70} (70) B 組 {100,20,40,90,50,90,85,85,60,80} 偏差 { 10, 0, 20, -5, 0, -10, -10, 5, -10, 0} 偏差 { 30, -50, -30,20,-20, 20,15, 15, -10,10}
偏差 =個人の値 − 平均値
偏差 =個人の値 − 平均値 A 組 { 80,70,90,65,70,60,60,75,60,70} (70) B 組 {100,20,40,90,50,90,85,85,60,80} 偏差 { 10, 0, 20, -5, 0, -10, -10, 5, -10, 0} 偏差 { 30, -50, -30,20,-20, 20,15, 15, -10,10} 偏差の2乗の合計 850 偏差の2乗の合計 6150
全体のバラツキの指標 Σ(Xi ー M) 2 N ( 分 散) A 組の分散 85 B 組の分散 615
全体のバラツキの指標 Σ(Xi ー M) 2 N 標準偏差= A 組の標準偏差 9.1 B 組の標準偏差 24.9
個人の相対的位置の指標 偏差 標準偏差 z 得点= A 子の z 得点 20/9.1 = 2.2 B 子の z 得点 20/24.9 = 0.8
個人の相対的位置の指標 z 得点 ×10 + 50 偏差値= A 子の偏差値 72 B 子の偏差値 58
3 評価の基準 個人の過去の成績や他領域の成績 との比較 絶対評価 相対評価 個人内評価 他者との相対的な比較 評価者が設定した基準との比較
評価基準と学習目標・動機づけとの関係
サブメッセージ 4.3 内発的動機づけを高めるには 絶対評価、個人内評価が 適している
2 評価の時期 形成的評価:学習活動の途中に行なう いつ評価するのか? 総括的評価:学習活動の後に行なう 診断的評価:学習活動の前に行なう
2 評価の時期 教師:指導法の考案 新しい知識導入の前提の確認 児童:目標の明確化 診断的評価
2 評価の時期 教師:指導法の途中確認 児童:スモールステップの原理による強化 形成的評価
2 評価の時期 教師:指導法の改善、成績の確認 児童:到達度の確認、強化 総括的評価
サブメッセージ 4.2 「結果」としての評価より「 手段」としての評価に注目
4 評価に影響する要因 光背( halo) ハロー効果 特定の性質において良い (悪い)部分があると、 他の性質においても良い (悪い)と評価される傾向
4 評価に影響する要因 [ データ4.1] 小論文評価に及ぼす顔の影響
4 評価に影響する要因 [ データ 4.2] 児童の外見と教師の期待
5 評価の持つ力 [ データ 4.3] 教師期待効果
5 評価の持つ力 [ ビデオ 4.1] マイフェアレディ ピグマリオン効果 (教師期待効果) 教師の期待が無意識に行 動に表れ、子どもの態度、 行動や成績に影響する
サブメッセージ 4.4 教師の思いは良くも悪くも 子どもに影響を与えることを 自覚しよう
メインメッセージ 4 何のために評価するのかを よく考えよう