全国日本語専門八級試験 解説と対策 上海外国語大学 毛文偉
試験内容の構成 内容 満点 時間 問題一 聴解 20点 90分 問題二 語彙 10点 問題三 慣用句 問題四 文法 問題五 文学・文化 問題六 読解 問題七 文章の補完 問題八 中文日訳 問題九 作文 30点 合計 150点 180分
問題1(聴解) 大問の構成 大問 問題数 満点 1 聴解 10問 20点
聴 解 1. 女:あの、こちらの学生課でアパートを紹介してもらえるんですか。 聴 解 1. 女:あの、こちらの学生課でアパートを紹介してもらえるんですか。 男:はい、民間のアパートを紹介してますよ。手数料はかかりませんし、敷金と礼金が安くなりますから、不動産屋を通して契約するより費用が少なくてすみますよ。ただ数があまりないもので。 女:大学の近くで6畳ぐらいの部屋ありますか。 男:ちょっとお待ちくださいね。調べますから。 男の話に合っているのはどれですか。 A.学生課でも不動産屋でも費用は同じです。 B.学生課で契約すると手数料はかかりませんが、礼金が高いです。 C.学生課で契約すると敷金と礼金が安くなるし、手数料もいりません。 D.学生課で契約すると部屋代が安くなります。
聴 解 2. 男:第2ビルの工事、8月の完成予定だけど、この分だと3ヶ月ぐらいは延びそうだな。 聴 解 2. 男:第2ビルの工事、8月の完成予定だけど、この分だと3ヶ月ぐらいは延びそうだな。 女:そうですね。でも総力をあげていけば、1ヶ月は早められると思うんですが。 男:甘いんじゃない。希望的観測だな。まあ、いずれにしても早く進めないと。第1ビルのほうは、何とか4月の開業に間に合ってよかったよ。 男の人は第2ビルの完成がいつごろになりそうだと言っていますか。 A.4月 B.8月 C.10月 D.11月
問題2(語彙) 大問の構成 大問 問題数 満点 1 漢字読み 5問 5点 2 表記
漢字読み 11.親は子供の健やかな成長を願うものだ。 A.ゆる B.さわ C.すこ D.すみ 13.銀行の通帳を見て、残高を確認した。 A.ゆる B.さわ C.すこ D.すみ 13.銀行の通帳を見て、残高を確認した。 A.のこりごう B.のこりだか C.ざんこう D.ざんだか
表記 17.出発前に確認したはずなのに、かんじんのパスポートを忘れてきてしまった。 A.関心 B.感心 C.肝心 D.官人 A.関心 B.感心 C.肝心 D.官人 18.音楽会の切符がどこかにまぎれてしまい、どこを探しても見付からない。 A.粉 B.紛 C.間切 D.績
問題3(慣用句) 大問の構成 大問 問題数 満点 1 言葉の解釈 5問 5点 2 慣用句の解釈 2問 2点 3 慣用句の選択 3問 3点
言葉の解釈 23.この小説で描かれている愛のかたちはきわめてアブノーマルだが、全体は普遍的な命題で貫かれている。 A.変動的 B.普遍的 A.変動的 B.普遍的 C.常態的 D.変態的 24.彼らは、通学時に戦闘に巻き込まれて命を落とす危険性や児童労働の障壁を乗り越えて学校に通っています。厳しい境遇にもめげないたくましい姿がそこにあります。 A.怯まない B.勝てない C.逃げない D.欠けない
慣用句の解釈 26.あの人は紺屋の明後日で、あと一日、あと一日と代金の支払いを延ばしている。 A.染物屋が倒産しそうになること A.染物屋が倒産しそうになること B.約束したとおりに行動すること C.常連客との約束を守らないこと D.約束の期日の当てにならないこと 27.両党は現金給付などの子育て支援策を競っているが、調査では民主党に軍配が上がった。 A.勝負が分かった B.結果が分かった C.勝負が決まった D.結果が決まった
慣用句の選択 28.仕事を途中でサボって、長々と話し込む。 A.道草を食う B.油を売る C.話が弾む D.話が合う A.道草を食う B.油を売る C.話が弾む D.話が合う 29.優れた美術品などを数多く見て、おのずから鑑賞力が備わる。 A.目がある B.目が肥える C.見るは法楽 D.見るに見かねる
問題4(文法) 大問の構成 大問 問題数 満点 1 助詞・助動詞 5問 5点 2 複合辞(文型) 8問 8点 3 敬語 2問 2点 4 文語の文法
助詞・助動詞 31.私は、美術や音楽に関する本を読むこともけっこうであろうが、それよりも、何も考えずに、たくさん見たり聞いたりすること( )第一だ、といつも思っています。 A.は B.が C.も D.を 33.東京の大阪に対する反感はかくの如きものであるか。しかし、私はこれはあくまで将棋界のみのこととして考えたい。すくなくとも文壇ではこのようなことは( )と、考えたい。 A.あるまい B.ありまい C.あるだろう D.ないまい
複合辞(文型) 31.数学のテストで初めて百点を取った博君は、もうびっくりした 、嬉しい で、大きな口を開けて、「やったぞー!」と言っている。 A.やら~やら B.なり~なり C.とか~とか D.なんか~なんか 33.また失敗したことを が、諦めはしない。 A.後悔して極まりない B.後悔しての極みだ C.悔やんで止まなかった D.悔やんで済まなかった
敬語 42.今学期の授業の選択については、先日先輩に 通りにやります。 A.教えさせられた B.お教えした 42.今学期の授業の選択については、先日先輩に 通りにやります。 A.教えさせられた B.お教えした C.教わった D.お教わりになった 43.このたび小山正一、長田和江のご両人には、めでたくご結婚の運びと相成りました。つきましては、ここに祝賀会を催して両人の前途を祝したく、 。 A.ご案内いただきます B.ご案内申し上げます C.お招きたく存じます D.お招きに預かります
文語の文法 46.かぎりなくとほくも来にけるかなとわびあへるに A.はるばる遠くまで来るものだなあ B.はるばる遠くまで来たものだなあ A.はるばる遠くまで来るものだなあ B.はるばる遠くまで来たものだなあ C.はるばる遠くまで来ているものだな D.はるばる遠くまで来ていたものだなあ 49.男もすなる日記といふものを女もしてみんとてするなり。 A.女の私も試してみまい B.女の私も試してみる C.女の私も試してみよう D.女の私も試してみない
文語文法の基礎(1)歴史的仮名遣い 1.語頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」と読む。 ■あはれ ■こよひ ■いふ ■あはれ ■こよひ ■いふ 2.母音が連続した場合は長音で読む。 ■あうむ ■あふ ■ひさしう ■にふだう ■けうくん ■けふ 3.語や助動詞の中の「む」は「ん」と読む。 ■ひむがし
文語文法の基礎(2)動詞の分類 四段動詞 言ふ、保つ、変はる ナ行動詞 死ぬ、往ぬ 五段動詞 ラ行動詞 あり、をり、侍り 下一段動詞 蹴る 上一段動詞 着る、見る、射る 一段動詞 上二段動詞 過ぐ、尽く、閉づ 下二段動詞 求ぬ、受く、越ゆ サ変動詞 サ変動詞 す カ変動詞 カ変動詞 来
文語文法の基礎(3)助動詞 起き走りて逃げ去りぬ き 京より下りしとき 過去 竹取の翁といふものありけり けり なよ竹のかぐや姫とつけつ つ 完了 常よりももの思ひたるさまなり たり り まもりあへり
文語文法の基礎(3)助動詞 京には見えぬ鳥なれば ず 打消 じ 京にはあらじ 男の持つまじきものなれ まじ む 何人ならむ らむ 子泣くらむ 推量 かなはじとや思ひけむ けむ 財多しとて頼むべからず べし
文語文法の基礎(3)助動詞 かつ破り捨つべきものなれば なり 断定 下として上に逆ふること たり 先達はあらまほしきことなり まほし 希望 たし 出家ぞしたき
文語文法の基礎(3)助動詞 まねかれてとつてかへす る 受身 らる 舅にほめらるる婿 す みな滝の歌詠ます 秋田と呼びてつけさす 使役 さす わが像を作らしめたり しむ 命は葉の薄きがごとし 比況 ごとし
問題5(文学・文化) 大問の構成 大問 問題数 満点 1 文学 5問 5点 2 文化
近代文学 52.芥川龍之介が師事した作家は誰か。 A.森鴎外 B.夏目漱石 C.志賀直哉 D.坪内逍遥 52.芥川龍之介が師事した作家は誰か。 A.森鴎外 B.夏目漱石 C.志賀直哉 D.坪内逍遥 53.第二芸術論を言い出した評論家は誰か。 A.小林秀雄 B.中村光夫 C.桑原武夫 D.堀口大学
古典文学 51.『小倉百人一首』の選者は誰か。 A.藤原俊成 B.源実朝 C.西行法師 D.藤原定家 A.藤原俊成 B.源実朝 C.西行法師 D.藤原定家 54.世阿弥の『風姿花伝(花伝書)』はどのような書物か。 A.随筆集 B.連歌論 C.俳文集 D.能楽論 55.『平家物語』と同じジャンルのものは次のどれか。 A.源氏物語 B.保元物語 C.伊勢物語 D.栄華物語
文化 56.中元は、道教に由来する年中行事であるが、日本では、何時の日か。 A.1月15日 B.5月15日 C.7月15日 D.9月15日 A.1月15日 B.5月15日 C.7月15日 D.9月15日 57.菅原道真を祭神とする神社はどれか。 A.平安神宮 B.天満宮 C.明治神宮 D. 伊勢神宮 58.蘇我氏打倒のクーデターは一般になんと呼ばれるか。 A.明治の改新 B.安政の改革 C.大化の改新 D.慶応の改革
問題六(読解) 大問の構成 大問 問題数 満点 1 短文の読解 10問 10点 2 長文の読解 1問
問題七(文章の補完) 大問の構成 大問 問題数 満点 1 文章の補完 10問 10点
問題八(中文日訳) 大問の構成 大問 問題数 満点 1 中文日訳 1問 20点
問題九(作文) 大問の構成 大問 問題数 満点 1 作文 1問 30点
これからの一ヶ月を活用しよう 今までやった練習問題にもう一度目を通す。 いわゆる<機能語>の機能、接続及び後続内容への示唆などを確認する。 毎日、聴解練習をする。 模擬テストを何回も繰り返す。
試験当日の所持品 受験票 身分証明証 鉛筆(3本以上) 鉛筆削り 消しゴム ラジオ(必要な場合) 飲み物(ただし、たくさん飲むと困ることがある) のど飴、チョコレートなど
ご清聴ありがとうございました。