日本の高校における英語の授業は 英語で行うのがベストか? 日本語の介在の意義 日本の高校における英語の授業は 英語で行うのがベストか? 日本語の介在の意義 A12LA062 柴田真友子
日本の高校では 英語を英語で教えるべきか? 日本語を介在させるべき!
①日本人の英語使用の環境 ②英語教育の目標設定 ③英語の習得や概念の理解 高校の英語の授業で 日本語を介在させるべき理由 ①日本人の英語使用の環境 ②英語教育の目標設定 ③英語の習得や概念の理解
①日本人の英語使用の環境 ②英語教育の目標設定 ③英語の習得や概念の理解 高校の英語の授業で 日本語を介在させるべき理由 ①日本人の英語使用の環境 ②英語教育の目標設定 ③英語の習得や概念の理解
①日本人の英語使用の環境 ●英語使用環境の分類(吉田、2003) ○ESL(English as a Second Language) 日常生活で英語を使用、英語が第二言語 ○EOL(English as an Official Language) 教育/政治等で英語を使用、英語が公用語 ○EFL(English as a Foreign Language) 日常生活で英語が不必要、英語が外国語
①日本人の英語使用の環境 ●英語使用環境の分類(吉田、2003) ○ESL(English as a Second Language) 日常生活で英語を使用、英語が第二言語 ○EOL(English as an Official Language) 教育/政治等で英語を使用、英語が公用語 ○EFL(English as a Foreign Language) 日常生活で英語が不必要、英語が外国語
①日本人の英語使用の環境 ●英語使用環境の分類(吉田、2003) ○ESL(English as a Second Language) 日常生活で英語を使用、英語が第二言語 ○EOL(English as an Official Language) 教育/政治等で英語を使用、英語が公用語 ○EFL(English as a Foreign Language) 日常生活で英語が不必要、英語が外国語
①日本人の英語使用の環境 ●英語使用環境の分類(吉田、2003) ○ESL(English as a Second Language) 日常生活で英語を使用、英語が第二言語 ○EOL(English as an Official Language) 教育/政治等で英語を使用、英語が公用語 ○EFL(English as a Foreign Language) 日常生活で英語が不必要、英語が外国語
①日本人の英語使用の環境 日本の環境はEFL! ●英語使用環境の分類(吉田、2003) ○ESL(English as a Second Language) 日常生活で英語を使用、英語が第二言語 ○EOL(English as an Official Language) 教育/政治等で英語を使用、英語が公用語 ○EFL(English as a Foreign Language) 日常生活で英語が不必要、英語が外国語 日本の環境はEFL!
①日本人の英語使用の環境 ②英語教育の目標設定 ③英語の習得や概念の理解 高校の英語の授業で 日本語を介在させるべき理由 ①日本人の英語使用の環境 ②英語教育の目標設定 ③英語の習得や概念の理解
●グローバル化に対応した英語教育改革実施計画 (文部科学省、2013) ②英語教育の目標設定 ●グローバル化に対応した英語教育改革実施計画 (文部科学省、2013) 幅広い話題について抽象的な内容を理解できる、英語話者とある程度流暢にやりとりができる能力を養う 英語を通じて情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりするコミュニケーション能力を養う 授業を英語で行うとともに、 言語活動を高度化
②英語教育の目標設定 ●計画の問題点 ○英語教育 グローバル化に対応した英語力を育てる ○グローバル化に対応 グローバル化に対応した英語力を育てる ○グローバル化に対応 英語を流暢に話せる人材を養成する 日本語での思考力、理解力、多様な物の 見方を養うための時間を削っている
②英語教育の目標設定 ●公教育の役割 ○公教育 学力だけでなく人間性も育てる場 ○英語教育 英語能力の養成を通して外国語や異文化 学力だけでなく人間性も育てる場 ○英語教育 英語能力の養成を通して外国語や異文化 についての理解を深めさせる場 ○グローバル化に対応 言語の種類に関わらず基本の能力である 思考力、教養の養成が大切
②英語教育の目標設定 ●CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠) 言語教育・言語学習の基本的な枠組みを 定めたもの 多言語主義 (複数の言語をネイティヴ並みに使う) 複言語主義 (複数の言語を自分に必要なだけ取り込む)
日本語と英語それぞれの背景にある文化の理解にまで意識を向ける ②英語教育の目標設定 複言語主義に基づくと… 英語を自分に必要なだけ取り込む 日本語と英語それぞれの背景にある文化の理解にまで意識を向ける 適宜日本語を介在させることによって、 それぞれの言語や文化の違いに気づかせる
①日本人の英語使用の環境 ②英語教育の目標設定 ③英語の習得や概念の理解 高校の英語の授業で 日本語を介在させるべき理由 ①日本人の英語使用の環境 ②英語教育の目標設定 ③英語の習得や概念の理解
③英語の習得や概念の理解 ●人間の言語能力の分類(Cummins) ○ BICS 基礎的対人伝達能力 ○ CALP 認知学力的言語能力 (Basic Interpersonal Communication Skills) 挨拶などの日常会話に必要な言語能力 ○ CALP 認知学力的言語能力 (Cognitive Academic Language Proficiency) 学術的な文を読んだり、概念を理解したり議論 するなどより知的な思考に関わる言語能力
③英語の習得や概念の理解 ●人間の言語能力の分類(Cummins) ○ BICS 基礎的対人伝達能力 ○ CALP 認知学力的言語能力 (Basic Interpersonal Communication Skills) 挨拶などの日常会話に必要な言語能力 ○ CALP 認知学力的言語能力 (Cognitive Academic Language Proficiency) 学術的な文を読んだり、概念を理解したり議論 するなどより知的な思考に関わる言語能力
③英語の習得や概念の理解 ●人間の言語能力の分類(Cummins) ○ BICS 基礎的対人伝達能力 ○ CALP 認知学力的言語能力 (Basic Interpersonal Communication Skills) 挨拶などの日常会話に必要な言語能力 ○ CALP 認知学力的言語能力 (Cognitive Academic Language Proficiency) 学術的な文を読んだり、概念を理解したり議論 するなどより知的な思考に関わる言語能力
●共通基底言語能力モデル(Cummins) ③英語の習得や概念の理解 ●共通基底言語能力モデル(Cummins) BICS CALP 日本語 英語 抽象的な概念や思考力は日本語で習得 ↓ 英語での再習得の必要がない!
●インプット仮説(Krashen) 現状の知識よりも少しだけ難しいレベル (i+1)の英語を学習させることで能力を 伸ばすことができる ③英語の習得や概念の理解 ●インプット仮説(Krashen) 現状の知識よりも少しだけ難しいレベル (i+1)の英語を学習させることで能力を 伸ばすことができる 現状で理解可能なレベルのインプットであることが大切
③英語の習得や概念の理解 例えば… “child neglect” 子供の世話を怠けること 育児放棄=社会問題 日本語で考えることによって、 子供の世話を怠けること 育児放棄=社会問題 日本語で考えることによって、 より深い理解が得られる! (伊原、2011) 英語 日本語
← +1かもしれない ← +1を超える より高度な理解には つながらない ③英語の習得や概念の理解 抽象的な概念を 英語でインプット ← +1かもしれない ← +1を超える より高度な理解には つながらない BICS CALP 日本語 英語
← +1に満たない かもしれない ← +1のインプット より高度な理解に つながる ③英語の習得や概念の理解 抽象的な概念を 日本語でインプット ← +1に満たない かもしれない ← +1のインプット より高度な理解に つながる BICS CALP 日本語 英語
③英語の習得や概念の理解 ●より良い習得のために 情意フィルター仮説(Krashen) 第二言語学習に対する不安・自信喪失等が 習得を阻害 日本語の使用 情意フィルターを外す 生徒と教師、生徒同士の距離を縮める
①日本人の英語使用の環境 ②英語教育の目標設定 ③英語の習得や概念の理解 まとめ ①日本人の英語使用の環境 ②英語教育の目標設定 ③英語の習得や概念の理解 日本の高校における英語の授業は 英語のみで行うのではなく、 日本語を介在させるべき!
参考資料 文部科学省「グローバル化に対応した英語教育改革 実施計画」2013 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/12/ __icsFiles/afieldfile/2013/12/17/1342458_01_1. pdf 吉田研作・柳瀬和明『日本語を活かした英語授業の すすめ』大修館書店、2003 伊原紀子『翻訳と話法―語りの声を聞く―』松籟社、 2011 キース・モロウ編、和田稔・高田智子・緑川日出 子・柳瀬和明・齋藤嘉則訳『ヨーロッパ言語共通参 照枠(CEFR)から学ぶ英語教育』研究社、2013