言語教育論演習 発表課題 「日本の高校における英語の授業は 英語で行うのがベストか」 A13la111 原健太
Not Best! ⇒むしろ日本語を用いて授業を行う ことに負い目を感じてはならない! ☆日本における英語の授業は 英語で行うのがベストか? 英語で行うのがベストか? Not Best! ⇒むしろ日本語を用いて授業を行う ことに負い目を感じてはならない! 最初に結論を述べておきます。僕の意見はこうです。
☆発表の流れ ①そもそも私たちが英語を学ぶ理由は? ②どのように英語を学ぶのが効果的か? ⇒高校における英語の授業を考える ⇒高校における英語の授業を考える なぜそう思うのかを順を追って説明します。 ③なぜ日本語を用いたほうがよいのか?
☆発表の流れ ①そもそも私たちが英語を学ぶ理由は? ②どのように英語を学ぶのが効果的か? ⇒高校における英語の授業を考える ⇒高校における英語の授業を考える なぜそう思うのかを順を追って説明します。 ③なぜ日本語を用いたほうがよいのか?
☆私たちが高校で英語を学ぶ理由 「経済・社会のグローバル化が進展する中、子ども達が21世紀を生き抜くためには、 国際的共通語となっている「英語」のコミュニケーション能力を身に付けることが必要であり、 このことは、子ども達の将来のためにも、我が国の一層の発展のためにも非常に重要な課題となっている。」 これは文部科学省の発表している英語の教育目的です。 文部科学省事業評価書-平成21年度新規・拡充等- 英語教育改革総合プラン(新規) http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/08100105/022.htm
☆私たちが高校で英語を学ぶ理由 「経済・社会のグローバル化が進展する中、子ども達が21世紀を生き抜くためには、 国際的共通語となっている「英語」のコミュニケーション能力を身に付けることが必要であり、 このことは、子ども達の将来のためにも、我が国の一層の発展のためにも非常に重要な課題となっている。」 これは文部科学省の発表している英語の教育目的です。 文部科学省事業評価書-平成21年度新規・拡充等- 英語教育改革総合プラン(新規) http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/08100105/022.htm
「我が国の一層の発展のためにも」 国際的な関係の中で闘える(活躍できる) 人材を育成し、人的資源の観点から 国力を底上げしたい その中でも、僕が英語教育を行うのが妥当だと感じているのがこの部分。そういう意味での「国力の増加」。
英語を話せる人が増えれば、海外との交流が個人の単位で増えるわけで、
! ! ! そうすれば海外の日本にはない新たな発想が日本に持ち込まれて更なる発展が見込まれる。 海外の新しい発想の取り込み ⇒更なる発展!
アメリカ 中国 I think that… 逆に日本の考えや見方を海外に発信する機会も同時に増え、 日本
アメリカ 中国 I suggest that… 日本の世界への影響力を強化することができる。 日本
アメリカ 中国 思惑の積極的発信 ⇒世界への影響力の強化! 日本 日本は なかなかよい発想をする… だから国民を英語を使えるように教育するのは、国にとってよいこと。 思惑の積極的発信 ⇒世界への影響力の強化! 日本
現在、英語が世界で最も多く話されており、 なぜ英語なのか? 現在、英語が世界で最も多く話されており、 まずはこれを身につければ、 コミュニケーションが交わせる幅が (他の言語を学ぶよりも)広くなる 一応補足しておくと、なぜ英語じゃないとダメなのかという異論があるが、やはり国際公用語が英語であると認識されている現代である以上、話者が圧倒的に多い英語をまずは話せるようになっていこうというのが国の方針であり、これに関しては僕はまちがった方向性ではないと思う。 より実用性が高い
☆発表の流れ ①そもそも私たちが英語を学ぶ理由は? ②どのように英語を学ぶのが効果的か? ⇒高校における英語の授業を考える ⇒高校における英語の授業を考える 次は、「高校の授業で」というファクターを考慮して、どのように英語を学ぶのが効果的かということを考えていく。 ③なぜ日本語を用いたほうがよいのか?
☆求められる能力は? 「経済・社会のグローバル化が進展する中、子ども達が21世紀を生き抜くためには、 国際的共通語となっている「英語」のコミュニケーション能力を身に付けることが必要であり、 このことは、子ども達の将来のためにも、我が国の一層の発展のためにも非常に重要な課題となっている。」 まずは求められる能力を確認しておく。やはり「コミュニケーション能力」が必要 文部科学省事業評価書-平成21年度新規・拡充等- 英語教育改革総合プラン(新規) http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/08100105/022.htm
☆求められる能力は? 「経済・社会のグローバル化が進展する中、子ども達が21世紀を生き抜くためには、 国際的共通語となっている「英語」のコミュニケーション能力を身に付けることが必要であり、 このことは、子ども達の将来のためにも、我が国の一層の発展のためにも非常に重要な課題となっている。」 まずは求められる能力を確認しておく。やはり「コミュニケーション能力」が必要 文部科学省事業評価書-平成21年度新規・拡充等- 英語教育改革総合プラン(新規) http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/08100105/022.htm
「「英語」のコミュニケーション能力を身に付けることが必要」 「人的資源」として求められるもの 「グローバル人材」の要素 これが国家が想定する「人的資源」の要素であり、それは言い換えると「グローバル人材」のことである。
要素Ⅱ: 主体性・積極性、チャレンジ精神、 協調性・柔軟性、責任感・使命感 〇グローバル人材としての要素 要素Ⅰ: 語学力・コミュニケーション能力 要素Ⅱ: 主体性・積極性、チャレンジ精神、 協調性・柔軟性、責任感・使命感 要素Ⅲ: 異文化に対する理解と日本人 としてのアイデンティティー (出典)「グローバル人材育成推進会議中間まとめ」(2011年6月) グローバル人材育成推進会議3
要素Ⅱ: 主体性・積極性、チャレンジ精神、 協調性・柔軟性、責任感・使命感 〇グローバル人材としての要素 要素Ⅰ: 語学力・コミュニケーション能力 要素Ⅱ: 主体性・積極性、チャレンジ精神、 協調性・柔軟性、責任感・使命感 要素Ⅲ: 異文化に対する理解と日本人 としてのアイデンティティー 統語的な側面をもつのは語学力だけで、あとはすべて言語外に関わる問題 これをみても、ただ単純な英語運用能力だけでは「グローバル人材」にはなれないことになる。 (出典)「グローバル人材育成推進会議中間まとめ」(2011年6月) グローバル人材育成推進会議3
単純に、英語が聞ける・英語が話せる力 (=「語学力」) だけではダメ そのときのトピックに合わせて、 自分の持っている知識を用いて 考えるための「思考力」と、 それを積極的に伝える、 かつ伝わりやすいように 伝えるための「発信力」が必要
○ グローバル人材の能力水準の目安 ① 海外旅行会話レベル ③ 業務上の文書・会話レベル ④ 二者間折衝・交渉レベル ② 日常生活会話レベル ③ 業務上の文書・会話レベル ④ 二者間折衝・交渉レベル 求められるレベルも詳細に記述されている。 ④⑤レベルの人材が継続的に育成され、一定数の「人材層」として確保されることが極めて重要。 ⑤ 多数者間折衝・交渉レベル (出典)「グローバル人材育成推進会議中間まとめ」(2011年6月) グローバル人材育成推進会議3
○ グローバル人材の能力水準の目安 ① 海外旅行会話レベル ③ 業務上の文書・会話レベル ④ 二者間折衝・交渉レベル ② 日常生活会話レベル ③ 業務上の文書・会話レベル ④ 二者間折衝・交渉レベル 「語学力」だけではキビシイ。ちゃんと「思考力」、「発信力」を身に着ける必要があることを示している 語学力+思考力・発信力の 必要性 ⑤ 多数者間折衝・交渉レベル (出典)「グローバル人材育成推進会議中間まとめ」(2011年6月) グローバル人材育成推進会議3
☆コミュニケーションに必要な3要素の定義 ①「語学力」:英語を正確に運用する能力 (ex)・文法をまちがえない ・正確に発話を聞き取る ②「思考力」:発話内容の基盤を形成する 能力 (ex)・論理的に考える ・蓄えた予備知識を活用する ここで、先ほど言ったコミュニケーションに必要とした能力3つを整理しておく。 英語を自分の感情、思考を発信するためのツールであると考え、それらを正確に使う能力が「語学力」。
これら3つの能力を身につけられるような授業がよい ③「発信力」:考えたことを積極的に発言に 変えていける能力。 (ex)・間違いを恐れずに発言ができる また、頭の中で考えたものを積極的に自分の外へ表出させていこうと考えられる、精神的な側面に関わる能力を「発信力」であるとした。 これら3つの能力を身につけられるような授業が効果的であると僕は考えた。 これら3つの能力を身につけられるような授業がよい
☆3要素を身につけるための学習法 ①生徒をグループに分け、共通のテーマを 1つ与える。それについてグループで話し 合いをさせる。(※日本語の使用を認める) ②話し合った内容を英語で他のグループに向 けて発表する。 そこでこのような授業はどうだろうか。この授業には5つの段階がある。 ③他のグループはその発表に対しての感想 をグループ内でまとめて、英語でレスポンス を返す。
④先生が、それぞれのグループで出た意見と レスポンスの内容そのものと、使った語彙や 文法に関してフィードバックする。 ⑤教室全体で先生のフィードバックにあった語彙や 文法を復習する。
日本の原発問題について各班で 話し合って意見を英語で 発表してください。 たとえば…。①テーマを与える
安全性が…… でも電力不足が… ②グループディスカッション それでも事故のリスクが…
We are going to mention about… ③発表
あの班の言い分は… ちょっと納得いかない… ④他班の意見についてディスカッション でもたしかに あの意見は…
We have an another opinion about… ④それを踏まえて他班の発表
あの班の意見は…。 あの班が使っていたこの文法は 現在完了といい…。 ⑤先生によるフィードバックと復習 中学で英語の基礎を学び、ある程度の「語学力」をもった高校生にこそ行える課題である。「思考力」、「発信力」養いつつも、先生からのフィードバックにより「語学力」の更なる向上も図れる。ここから、高校ではこの形態で授業が可能であるし、行われるのが望ましいと考える。
☆この授業を推進する論理的根拠 ①アウトプット仮説(Swain) ⇒言語使用の十分な機会がなければ、 ②インタラクション仮説(Long) ⇒言語使用の十分な機会がなければ、 正確な文法操作能力にはつながらない ⇒アウトプット活動こそが「スピーキングに おける自動性」の獲得に不可欠 ②インタラクション仮説(Long) ⇒他人との交流の中で、自らの言語活動が 促進される ⇒Task-based approach この授業形態を進言するのにはちゃんとした論理的根拠がある。 これに基づいて僕は、この授業を行うことによって最初の3要素、つまり思考力と発信力を養いながらも文保操作能力である言語力を鍛え上げることができると主張するのだ。
☆アウトプット仮説(Swain) ⑴自分の表現したいことと自分の能力で話せる ことのギャップに気づく ⇒英語能力の自発的な向上を促せる ことのギャップに気づく ⇒英語能力の自発的な向上を促せる ⑵相手からのレスポンスがある ⇒自分の予想と異なる反応の場合、自分の ことばの誤用に気づける ⇒正確な意思疎通のための正確な 言い回しを身につけようと思える まず、①から説明しよう。先ほどアウトプットが重要だとする仮説だと言及したが、その詳しい内容がこちら。
⇒「活動(アウトプット)→フィードバック(インプット) →活動」の流れ ⑶アウトプットがインプットになる ⇒「活動(アウトプット)→フィードバック(インプット) →活動」の流れ これらを実践することによって、英語コミュニケーション能力が発達するとされる。
☆インタラクション仮説(Long) Task-based approach ・コミュニケーションの中で「学べることを学ぶ」。 ⇒自分の言いたいことを自分で学ぶ。 ・実際に使った語彙、文法を先生がフィードバック し、のちのち生徒はそれを使う練習をする。 ⑴「これを話すために学んだ文法が現在完了だった」 加えて、この理論。それら2つに基づき、より実践的な提言をしたのがこのTask-based approach。 これらがその理念であるが、これらを先ほどの授業形態では実施することを目指している。 ・「気づき」を重視する。
☆発表の流れ ①そもそも私たちが英語を学ぶ理由は? ②どのように英語を学ぶのが効果的か? ⇒高校における英語の授業を考える ⇒高校における英語の授業を考える それでは最後になったが、なぜ日本語を用いたほうがよいのかを説明する ③なぜ日本語を用いたほうがよいのか?
☆なぜ日本語を用いたほうがよいのか 適切なフィードバックのためには母語が必要 生徒の用いた英語を分析的にふりかえり、 その内容を的確に伝えるためには、 普段から使用しており、十分な理解のある 日本語を用いるべき
The opinion they told us is sophisticated… And the grammar they used is called ``present perfect`` . The grammar is… ? ? 先生の感想が複雑な構文で構成されていたり、語彙が難度の高いもので理解できなかったりと、先生の解説なのにその中でわからないところが出てきたら本末転倒である。 ?
☆なぜ日本語を用いたほうがよいのか 第二言語はあくまでも 「学習される」ものである から
「文法の起源は、正しいことばを 与えるための道具であったから、 ひとえに間違ったことば、 すなわち非母語を話す人のためにある」 (田中克彦『ことばと国家』、1981、岩波新書)
簡単に説明しよう。植民地支配に関することだ。征服した側は、征服される側に対して、支配をより強固なものにするために、自分たちの法律や制度を押し付ける。しかしそれらを理解させるためには、まず自分たちのことばを征服された側の人間に理解させなければならない。そうなると、言語教育が必要になってくる。
自分たちの言語を教えないといけない 自分たちは、自分たちの言語を 特に意識することなく話している 自分たちが意識できないものを どうやって教えたらいいのか? 僕たちは日本語の文法それほど学ばないので、外国人に教えるときって難しいでしょ?
では、それを意識できるように法則を 生み出し、規則を整え、体系化しよう! それに基づいて教えればいいんだ!! 「文法」の誕生
自分が自然には使えないことば、 特別に知識として学習せねば理解できない 言葉を知るために「文法」は存在する ⇒「自分が自然に使えることば」としての 母語の想定 文法が「その言葉を話せない人がその言葉を学ぶためにある」ものだとすれば、その学びは母語で行うことが想定されている。 ⇒積極的に母語で勉強して、話せるようになればいいんじゃない? 第二言語は母語を用いて 学ぶモノ!
習得-学習仮説(Krashen) ⇒「習得」と「学習」は異なる過程 ・習得:子どもが母語を習得する際の 無意識的プロセス 無意識的プロセス ・学習:「言語について知る」という 意識的プロセス Krashenは「習得こそ重要で学習はあくまでも補足的なもの」とい、言語習得と言語学習の非連続性を主張しているが、注目すべきはこの二つのプロセスを分化したことである。ここには明らかに母語獲得と第二言語学習が異なる事象であることが表されている。
母語を利用してこその 私たち日本人にとって、 「第二言語学習」!! 英語は「学習」するもの これらの意味合いより、そもそも第二言語学習には母語を用いることが想定されているので、私たちは授業で臆することなく日本語を用いればよい。