最適生産量の決定.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
2014 年 9 月 22 日初級ミクロ経済学 1 初級ミクロ経済学 -需要・供給曲線- 2014 年 9 月 22 日 古川徹也.
Advertisements

需要・供給曲線の正体と 余剰分析. 需要曲線ってこんなのだった p x 価格が ここならば 需要はこれだけ.
第 5 章 企業と費用 企業の目的 企業 生産要素:労働・土地・資本 利潤最大化 5.2 生産関数 生産関数: 生産要素と生産物の技術的関係を表した もの 2.
5 弾力性とその応用.
ミクロ経済学第10回 企業と費用3:費用関数.
産業組織論 4 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015年1月15日
経済入門 ③ 西山 茂.
経済入門 ⑤ 西山 茂.
経済入門 ④ 西山 茂.
独占と寡占.
ゲーム理論・ゲーム理論Ⅰ (第8回) 第5章 不完全競争市場の応用
4章 競争条件と企業の行動 渡辺真世.
© Yukiko Abe 2014 All rights reserved
産業組織論 3 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015年10月22日
初級ミクロ経済学 -生産者行動理論- 2014年10月20日 古川徹也 2014年10月20日 初級ミクロ経済学.
経済原論IA 第8回 西村「ミクロ経済学入門」 第7章 企業行動と費用曲線 京都大学経済学部 依田高典.
経済学A ミクロ経済学(第4回) 費用の構造と供給行動
6.2 名声のメカニズム 継続的取引の効果 教科書pp.181〜185 担当 宮井.
初級ミクロ経済学 -生産者行動理論復習と前回宿題解説-
<キーワード> 生産関数、労働、資本 限界生産物
産業組織論 7 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015年12月3日
産業組織論 7 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015年12月17日
第2回 均衡の安定性.
ロビンソー・クルーソー経済.
経済学入門8 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2007年6月22日
消費の理論: スルーツキー方程式 需要曲線の導出 序数と基数
産業組織論 9 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2014年1月9日
ミクロ経済学 13 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2014年7月21日
特殊講義(経済理論)B/初級ミクロ経済学
費用関数(Cost function).
マクロ経済学初級I 第2回 市場取引 需要と供給.
供給曲線の導出.
5 企業行動と産業組織.
産業組織論 4 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015年11月5日
© Yukiko Abe 2008 All rights reserved.
産業組織論 3 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2014年12月24日
国際経済学 5 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2014年12月22日
生産要素への需要と生産要素価格: 労働市場・資本市場・土地の市場
経済学入門7 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2007年6月8日
損益分岐点に関する基礎知識 中村勝則 武庫川女子大学.
© Yukiko Abe 2014 All rights reserved
© Yukiko Abe 2014 All rights reserved
需要曲線の導出.
生産者行動の理論(2) 利潤最大化と費用関数 供給曲線 生産者余剰 利潤最大化の条件 供給曲線と限界費用 損益分岐点・操業中止点
ミクロ経済学II 4 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2017年10月25日
経済原論IA 第9回 西村「ミクロ経済学入門」 第8章 企業の長期費用曲線と 市場の長期供給曲線 京都大学経済学部 依田高典.
ミクロ経済学II 3 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2017年10月11日
ミクロ経済学II 4 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2017年10月18日
<キーワード> 生産関数、限界生産物 平均費用、限界費用
<キーワード> 平均収入、限界収入 サンクコスト(埋没費用)
ミクロ経済学II 第14回 生産の決定3 産業の長期均衡 市場と均衡1.
産業組織論 9 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015年12月24日
第8回講義 マクロ経済学初級I .
ミクロ経済学第9回 企業と費用2:費用最小化.
経済学入門7 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2009年6月8日
最適消費の決定.
© Yukiko Abe 2014 All rights reserved
目標 問題を証明するために、中点連結定理を使うことができる!!
産業組織論 10 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2016年1月14日
循環構造 民間部門経済循環の流れ circular flow 家 計 企 業 (価格メカニズム) 市場機構 が働く p p 消費財市場 y
産業組織論A 9 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2017年6月6日
産業組織論A 8 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2017年5月30日
© Yukiko Abe 2014 All rights reserved
産業組織論 7 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015年12月17日
独占はなぜいけないか.
公共経済学 (第2講 生産者の行動1) 今日の講義の目的 (1)費用関数、限界費用、平均費用という概念を理解する
第5章 企業と費用.
第7章 不完全競争 市場経済の基本的なメカニズムは,健全な経済を維持する上で欠かせないものである。
産業組織論A 9 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2017年6月13日
平行四辺形の性質 中学校 2年生 数学科.
Presentation transcript:

最適生産量の決定

今度の章は、 供給曲線を出してくる

第5回の講義で説明した 供給曲線の正体は こんなのだった そう! あのイカヤキの屋台の話

各生産者の一本当たりコストを縦の長さに、生産量を横の長さにとって イカヤキ達人「ジーチャン堂」 # 100円 一本100円のコストで10本生産するぞ http://free-illustration.com/

こんな感じで棒グラフにしていく おふくろの味 「おかん屋」 一本500円のコストで5本生産 500円 # 500円 一本500円のコストで5本生産 おふくろの味 「おかん屋」 http://free-illustration.com/

コストの低い店から順に 左から棒グラフを並べる 2000円 コストの低い店から順に 左から棒グラフを並べる 1000円 500円 200円 100円 # # # # # # # # # # # # # # # # # # # # #

一本700円の価格がつくと 一本100円で作ったものが 700円で売れてぼろもうけ 700円 100円 生産するぞ! # # # # # #

一本700円の価格がつくと 一本1000円で作ったものが 1000円 700円でしか売れないなんて損。 700円 # # 生産しない!

一本700円の価格がつくと 2000円 1000円 500円 200円 100円 700円 生産しない 生産する! 生産する! 生産する! # # # # # # # # # # # # # # # # # # # # # 生産しない 生産する! 生産する! 生産する! 生産しない

つまり ここまで生産する 2000円 1000円 500円 200円 100円 700円 # # # # # # # # # # # # #

だから 2000円 1000円 500円 200円 100円 # # # # # # # # # # # # # # # # # # # #

価格が1500円なら ここまで供給する 2000円 1000円 500円 200円 100円 1500円 # # # # # # # # #

700円なら ここまで供給する 2000円 1000円 500円 200円 100円 700円 # # # # # # # # # # #

300円なら ここまで供給する 2000円 1000円 500円 200円 100円 300円 # # # # # # # # # # #

150円なら 2000円 ここまで供給する 1000円 500円 200円 150円 100円 # # # # # # # # # # #

もっと供給者の数が増えていくと、刻みが細かくなって、 2000円 もっと供給者の数が増えていくと、刻みが細かくなって、 1000円 500円 200円 100円 # # # # # # # # # # # # # # # # # # # # #

こうなる これが供給曲線だった 価格が ここならば 価格が ここならば 供給はこれだけ 供給はこれだけ

供給者がこれくらいの数いるときで考えると 価格がここのとき ここまで生産する

供給者がこれくらいの数いるときで考えると 価格がここのとき 生産する生産者 生産しない生産者

供給者がこれくらいの数いるときで考えると 価格がここのとき 生産する生産者の限界 限界生産者 生産する生産者 生産しない生産者

限界生産者の費用 略して 価格がここのとき 限界費用 生産する生産者の限界 限界生産者 生産する生産者 生産しない生産者

生産者の数が無数に多くて連続的にかけるときには、 これが限界費用 ここまで生産したら

生産者の数が無数に多くて連続的にかけるときには、 これが限界費用 ここまで生産したら

なんのことはない。要するにこのグラフは 限界費用 限界費用のグラフ 生産量 供給曲線の正体

と言うことは 限界費用 価格=限界費用 →最適生産量 価格 生産量 生産量

本日の結論はこれ 価格=限界費用 →最適生産量 これが、一企業がいろいろに生産性の異なる設備を持っている場合にも、生産量によって生産性が連続的に変わる場合にも成り立つということを見るのが本日のテーマ

利潤の最大化 企業の目的は、 利潤= 収入 − 費用 総費用= (TC) 可変費用 (VC) + 固定費用 (FC) 収入=価格×生産量 p もうけ 利潤= 収入 − 費用 収入=価格×生産量 p x

収入と生産の関係をグラフにすると 収入 収入=px 傾きpの原点を通る直線 価格 完全競争の仮定 p 生産量 x

完全競争とは どんな一企業にとっても、市場の規模は膨大で、自分の生産だけでは全くそれを満たせない。 価格は「世間相場」として市場でできあがっているので、どんな一企業もそれをコントロールすることはできない。

よって、各企業は、 どれだけ生産しても、 市場でできている一定の価格で、 いくらでも売れるつもりで計画する。

だから直線 収入 収入=px p x

次は費用と生産の関係 固定費用(FC)は、生産量にかかわらずかかる費用 FC 生産量がゼロでも 多くても 少なくても 中くらいでも 一定 x

固定費用にはどんなものがあるか ・減価償却費 ・支払い利子 ・地代…etc. FC x

可変費用(VC)は生産が増えるごとにかさんでいく費用 このへんは生産が増えるごとに、ますます費用が増える VC このへんは生産が増えるごとに費用の増え方は減る x

可変費用にはどんなものがあるか ・賃金(人件費) ・原材料費 ・光熱費…etc. x VC (以前までの日本型雇用慣行では、正社員の人件費は固定費用同然) x

固定費用と可変費用を足したら 総費用(TC) VC FC x

これが総費用曲線 TC x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px p 両グラフの差 x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px このへんは赤字(損失) p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px ここもまだ赤字(損失) p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px ここは利潤ゼロ p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC このへんで黒字(プラス利潤) 収入=px p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC だんだん利潤が増えていく 収入=px p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC だんだん利潤が増えていく 収入=px p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC だんだん利潤が増えていく 収入=px p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px あれっ p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px 減り出した。いきすぎた。 p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px もどそう p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC このへんが最大利潤かな 収入=px 正確には どうしたらわかる? p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px 収入線に平行な 線を引いて p p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px ズラしていく p p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px ズラしていく p p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px ズラしていく p p x

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC 収入=px これが 最大利潤 TCと接したとき p x p

利潤は、収入(px)−総費用(TC) TC p x 収入=px 平行四辺形の向かい合う辺は等しいから ここは この分少ない ここは ここが最大 ここは この分少ない p x

よって、最適生産点は、 TC TC曲線の接線の 傾きが、価格pと 等しいとき p x 最適生産量

TC曲線の接線の傾きが、 TC 限界費用 x

TC曲線の接線の傾きが、 TC 限界費用 x

TC曲線の接線の傾きが、 TC 限界費用 x

限界費用とは、 新たに生産を増やすときに、そのために新たにかかる費用 さっきのイカヤキの例では、生産者ごと生産が増減した。 生産量の増減のキザミが無限に細かくなると、グラフでは費用関数の接線の傾きになる。

かくしてやはり、 TC 価格=限界費用 →最適生産量 p x 最適生産量

しかし TC このへんならば、 p x 最適生産量

しかし TC 価格が高くなるごとに最適生産量は増加するから p x 最適生産量

しかし TC たしかに供給曲線のとおりである。 p x 最適生産量

しかし TC このへんの傾きは x

しかし TC 低いほど生産量が多い x

しかし TC もし価格=限界費用だとすると、価格が低いほど生産が増えるのか? x

実は、 TC このへんは、限界費用が供給曲線にはならない。 次回詳しく見る x