環境材料工学科って どんな学科? *画面をクリックすると進んでいきます* 環境材料工学科って どんな学科? *画面をクリックすると進んでいきます*
工学部に行くことは決めたのですが,学科について悩んでいるんですよ 物理と化学とどっちが好きなの? どっちも好きですよ どっちも生かせる 学科ねえ・・・ 少しヒントをあげるわ 携帯電話ですか 携帯電話って,何からできているか知ってる?
プラスチックは見ればわかるし,電子機器だから配線のために金属が使われているのはわかるけれども,セラミックス? 1 プラスチック 2 金属 3 セラミックス プラスチックは見ればわかるし,電子機器だから配線のために金属が使われているのはわかるけれども,セラミックス? 携帯電話は,原料で考えると,たった3つしかないのよ 瀬戸物なんていやだよ・・ セラミックスはねえ,無機固体材料のことで,まあ瀬戸物もその1つね 瀬戸物はあくまで例よ・・ セラミックスはねえ,すごい性質をもつものなのよ
この他,超伝導体,センサ,電子デバイスなど ファインセラミックスの例 チタン酸バリウム:コンデンサ(誘電体) ジルコニア:燃料電池(固体電解質) 酸化亜鉛:半導体 フェライト:磁性体 この他,超伝導体,センサ,電子デバイスなど セラミックスには陶磁器,ガラス,セメント,石膏など昔から使われているもの以外に,ファインセラミックスというものがあるの すごいなあ,ICなんかにも使われているのか ファインセラミックスは高い機能をもつセラミックスで,誘電性,磁性,光学的性質などで,これまでにない優れた性質を示すのよ ファインセラミックスのお陰で,電子機器の超小型化が可能になったのよ どんなものがあるかは左上を見て
プラスチックなら生命・物質だけれども,セラミックスや金属なら「環境材料工学科」ね 僕は名工大を受けたいのだけれども,どこの学科になるのかなあ ダメよ,一番大切な材料という言葉を抜いたら,環境工学をやる学科ではないのよ! 環境材料工学科? あそこは環境工学をやっている学科でしょ 環境と調和する材料?? 環境と調和する材料を作り出していく学科よ 作るときの負荷?? そうなんだ どんなに高機能な材料でも環境に悪い影響を与えるようではダメなの,それに作るときにもなるべく環境への負荷が小さくなくてはね 例えば,セラミックスを作るときにはすごく高い温度が必要なのよ。低い温度で作れればそれだけでも環境への負荷は小さくなるのよ
もちろん,環境浄化や省エネルギーのための材料も作っているわ 社会で習ったな・・うん,夏は「高温多湿」で,冬は「低温乾燥」だ 例えば,どんなもの? もちろん,環境浄化や省エネルギーのための材料も作っているわ 社会で習ったな・・うん,夏は「高温多湿」で,冬は「低温乾燥」だ 環境浄化だと車の排ガス中のNOxを除くための触媒となるセラミックスがあるわ 省エネルギーはわかりにくいかもしれないわね・・ そう,日本の気候の特色は何? その通り 夏に冷房で単純に温度を下げると相対湿度が上がってしまうの,だから除湿が必要になるのよ そうか,余計なエネルギーが必要になるんだ ここでセラミックスの登場よ!
それと省エネルギーって何の関係があるの? そうか,一年間の湿度の差が少なくなるんだね セラミックスは,細かい孔が沢山あるものが作れるの,孔の大きさも変えられるわ・・ある大きさの孔だと空気中の湿気(水分子)を取り込むことが出来るわ それと省エネルギーって何の関係があるの? そうか,一年間の湿度の差が少なくなるんだね このセラミックスを,部屋の壁とか床に使うのよ・・ すると湿気の多い夏はセラミックスが湿気を吸い取ってくれて,乾燥した冬にその湿気を放出するのよ でも,まだまだ先の話でしょ? そうすると,除湿や加湿に余計なエネルギーを使わなくて済むのよ・・ 環境に優しいでしょ! もう出来ているわよ・・ ソイルセラミックスという名前で売られているわ
セラミックスはわかったけれども,金属についてはどうなんだろう・・ 環境に関係はない気がするなあ そんなこと無いわよ・・ 水素吸蔵合金があるわ セラミックスはわかったけれども,金属についてはどうなんだろう・・ 環境に関係はない気がするなあ そんなこと無いわよ・・ 水素吸蔵合金があるわ 水素をどんどん吸っていく合金よ・・ 水素って液化しにくい気体だって知ってるわよね 化学で習いました,液化しにくいから貯蔵や運搬が難しいと言うことも 何それ?? 水素吸蔵合金を使うと,貯蔵や運搬がすごく楽になるの・・今は,合金100gで水素を25 l も吸収できるわ そうよ,でも省エネルギーへの利用法としてもっとすごいこともできるのよ そうか,燃料電池自動車のタンクとして使えるんですね・・・
合金が水素を吸うときには発熱して,水素を出すときには吸熱するの,覚えておいて まいったなあ,授業か・・・ M + H2 → MH2 (発熱) MH2 → M + H2 (吸熱) 合金が水素を吸うときには発熱して,水素を出すときには吸熱するの,覚えておいて まいったなあ,授業か・・・ 熱のリサイクルなんて聞いたこと無いですよ ああ,知っています でも,お湯が運ぶ途中で冷えてしまうから,あまり効果がないって・・・ 水素を吸った合金を加熱すると,水素を放出し始めるのよ これを利用すると,熱のリサイクルができるようになるわ あら,焼却炉の熱でお湯を作って,家庭にそのお湯を送るというのは知っているでしょ 水素吸蔵合金を利用すると,無駄が無いのよ・・ 見ていて
工場には水素を完全に吸わせた合金を,家庭には水素を吸っていない合金をおいて,パイプラインで結んだと考えて・・ 工場に水素が戻る 家庭で発熱 工場には水素を完全に吸わせた合金を,家庭には水素を吸っていない合金をおいて,パイプラインで結んだと考えて・・ そうか,家庭に置いた合金が水素を吸って発熱するんだ 昼間,工場が動いているときに発生する熱を利用して,合金を温めるの・・・ すると,工場の合金から水素が放出されて家庭に行くわけ それで,夜になると・・・どうなるんだ そう,お湯と違って冷えないから,工場の熱を無駄なく家庭で利用できるのよ 工場の運転が止まると,温度が下がって,今度は工場の合金の方に家庭から水素が戻されてくるの 熱のリサイクルになっているでしょ・・・ 工場の方に,家庭よりも水素を吸う能力の高い合金を置いておくのがポイントね
そうよ,でもここで紹介したのは,大学で研究していることのごく一部よ・・ もっと色々なことを研究しているわ そうよ,でもここで紹介したのは,大学で研究していることのごく一部よ・・ もっと色々なことを研究しているわ 確かに,色々なところでやっているわ でもね,学科の名前にわざわざ「環境」という言葉を加えている材料系の学科は他大学にはないわよ 環境材料工学科って面白そうだなあ・・・ でも,他の大学でも同じことはやっているんですよねえ・・ そうか,「環境に調和した材料」に本気で取り組んでいる証拠だね 詳しいことは,大学のホームページや,オープンキャンパスで自分の目で確認することね