動力学(Dynamics) 運動方程式のまとめ 2008.6.17

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動力学(Dynamics) 運動方程式のまとめ 2008.6.17 知能システム論1(9) 動力学(Dynamics) 運動方程式のまとめ 2008.6.17

講義内容 1.はじめに 2.ベクトルの基礎 3.運動学(Kinematics) 4.動力学(Dynamics)まとめ 5.行列の演算と応用(Matrix) 6.軌道計算(Trajectory) 7.ロボットの制御(Control) 8.応用(Application)

力のモーメント(回転力) 大きさ: 方向: 向き: n(r と F を含む面に垂直) 右ねじ n r |r|sinθ θ F

先端部における力と力のモーメントの効果 第 i 関節にかかる力のモーメント: 第 i 関節の回転力 Ti : F M P P-Pi Zi Yi=pi Z0 X0 P1 Y0

ヤコビアン(係数行列)Jacobian J:ヤコビアン 上式を1つにまとめると次のようになる マニピュレータ先端の並進速度 マニピュレータ先端リンクの回転速度 上式を1つにまとめると次のようになる 自由度変数の 変化速度 先端の速度 J:ヤコビアン 例題のヤコビアン

T3,⊿θ3 P Fx, Fx, Fx ⊿x, ⊿y, ⊿z T2,⊿θ2 T1,⊿θ1 Z0 X0 P1 Y0

動力学(Dynamics) 逆動力学: リンクの位置、速度、加速度から関節トルクを求める。 逆動力学: リンクの位置、速度、加速度から関節トルクを求める。 順動力学: 関節トルクからリンクの加速度を求める。 ・逆動力学はロボットの制御に用い、順動力学はロボットの  シミュレーションに用いる。 ・ここでは、主として逆動力学について述べる。順動力学は  逆動力学に基づき展開することができる。 はじめに例題の3関節(自由度)ロボットを取り上げ、 各リンクの質量が重心に集中している場合を扱い、 一般への展開はその後考える。

運動方程式(Equation of Motion) 力とモーメント ベクトル リンク重心位置

各リンク重心の速度と加速度 回転速度ベクトル 回転加速度ベクトル

各リンクの力とモーメントの釣合い リンク3 関節3での力モーメントの釣合い リンク2 リンク1 関節トルク:

各リンクの運動方程式の一般形 :慣性テンソル 慣性主軸 X軸周りの慣性モーメント となる軸 リンク

オイラー(Euler)方程式 慣性主軸座標系でのオイラー方程式 慣性主軸 基準座標系でのオイラー方程式

オイラー(Euler)方程式

オイラー(Euler)方程式(ベクトル表現) 角運動量の時間微分が力のモーメント 重心周りの角運動量

とすると。

重心周りの角運動量 慣性乗積がゼロのX,Y,Z軸を選ぶと、

慣性モーメントの計算 Z Y X

慣性モーメントの計算 R X Z Y

逆動力学の計算手順 1) 各リンクの姿勢と重心位置(θ:given) 2) 各リンク重心の速度・回転速度( :given) 4) 各リンクの運動方程式 5) 各関節に加わる力・モーメントベクトル(Fi,Mi) 6) 各関節のトルク(Ti) 1)~3)はベースから手先へ、 4)~6)は手先からベースの向きに漸化式を立てる

演習問題 右の2リンクからなる 水平多関節ロボット について問い に答えよ。 各リンクの質量 m1、m2は 重心に集中して いるものとする。 レポート提出期限 7月1日(火) 1.ロボットの位置姿勢xi,yi,zi,Piを求めよ。 ただし、           のときxi,yi,ziは  基準座標系x0,y0.z0と一致するものとする。 2.各リンクの回転速度ベクトルと関節位置   速度を求めよ。 3.各リンクの重心の加速度ベクトルを求めよ。 4.各リンクの運動方程式を求めよ。 5.各関節トルクを求めよ。

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上の式展開での 記号の順序入換 のとき スカラー三重積の性質を用いた式変形 A B C C A B

慣性行列