微粒子合成化学・講義 E-mail: mura@tagen.tohoku.ac.jp 村松淳司 http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/muramatsu/MURA/kogi/fine-p/index.html E-mail: mura@tagen.tohoku.ac.jp.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
課題 1 課題提出時にはグラフを添付すること. この反応が1次であることを示すためには、 ln ([N 2 O 5 ] 0 / [N 2 O 5 ]) vs. t のプロットが原点を通る直線となることを示せばよい。 与えられたデータから、 t [s] ln ([N.
Advertisements

22 ・ 3 積分形速度式 ◎ 速度式: 微分方程式 ⇒ 濃度を時間の関数として得るためには積分が必要 # 複雑な速度式 数値積分 (コンピューターシミュ レーション) # 単純な場合 解析的な解(積分形速度式) (a)1 次反応 1次の速度式 の積分形 [A] 0 は A の初濃度 (t = 0 の濃度.
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
微粒子合成化学・講義 村松淳司
環境表面科学講義 村松淳司 村松淳司.
環境表面科学講義 村松淳司 村松淳司.
微粒子合成化学・講義 村松淳司
医薬品素材学 I 3 熱力学 3-1 エネルギー 3-2 熱化学 3-3 エントロピー 3-4 ギブズエネルギー 平成28年5月13日.
課題 1.
薬学物理化学Ⅲ 平成28年 4月15日~.
アンモニア(アミン類) 配位結合:結合を形成する2つの原子の一方からのみ結合電子が分子軌道に提供される化学結合。
○ 化学反応の速度     ・ 反応のある時点(たいていは反応開始時、ξ=0)について数値      として示すことが可能
福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛 名列____ 氏名________
環境表面科学講義 村松淳司 村松淳司.
反応性流体力学特論  -燃焼流れの力学- 燃焼の流体力学 4/22,13 燃焼の熱力学 5/13.
非線形方程式の近似解 (2分法,はさみうち法,Newton-Raphson法)
(b) 定常状態の近似 ◎ 反応機構が2ステップを越える ⇒ 数学的な複雑さが相当程度 ◎ 多数のステップを含む反応機構
22・5 反応速度の温度依存性 ◎ たいていの反応 温度が上がると速度が増加 # 多くの溶液内反応
生物機能工学基礎実験 2.ナイロン66の合成・糖の性質 から 木村 悟隆
速度式と速度定数 ◎ 反応速度 しばしば反応原系の濃度のべき乗に比例 # 速度が2種の原系物質 A と B のモル濃度に比例 ⇐ 速度式
回帰分析の結果、直線の傾きは ×104 と求められ、 EA = -(傾き)×R = (2.71×104)×8.31
光触媒を用いた 効率的発生源対策技術の検討 金沢大学大学院 大気環境工学研究室 M1 吉田充宏.
物理化学III F 原道寛.
三重大学・大学院生物資源学研究科 共生環境学専攻 地球環境気候学研究室 教授 立花義裕
早稲田大学理工学部 コンピュータネットワーク工学科 山崎研B4 大野遙平
微粒子合成化学・講義 村松淳司
微粒子合成化学・講義 村松淳司.
緩衝液-buffer solution-.
静電気学会のプラズマ研究と 学会連携への期待
環境表面科学講義 村松淳司 村松淳司.
平成18年度 構造有機化学 講義スライド テーマ:炭素陽イオン 奥野 恒久.
微粒子合成化学・講義 村松淳司
弱電離気体プラズマの解析(LXXIV) 大気圧コロナ放電によるベンゼン、トルエン およびキシレン分解
今後の予定 4日目 10月22日(木) 班編成の確認 講義(2章の続き,3章) 5日目 10月29日(木) 小テスト 4日目までの内容
燃焼の流体力学 4/22 燃焼の熱力学 5/13 燃焼流れの数値解析 5/22
22章以降 化学反応の速度 本章 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現
課題 1 課題提出時にはグラフを添付すること.
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
福井工業大学 原 道寛 学籍番号____ 氏名________
課題 1 P. 188.
Chapter 26 Steady-State Molecular Diffusion
環境表面科学講義 村松淳司 村松淳司.
物質機能化学1および演習 注意事項 1. 成績は全て、小テスト、中間テスト、期末テストの点数で決定する。
光プローブと化学反応シミュレーション -光プローブの性質をシミュレーションで理解する- 黒田研究室 担当:小森靖則
化学1 第12回講義        玉置信之 反応速度、酸・塩基、酸化還元.
タンパク質-リガンド複合体への共溶媒効果の系統的解析
今後の予定 (日程変更あり!) 5日目 10月21日(木) 小テスト 4日目までの内容 小テスト答え合わせ 質問への回答・前回の復習
22・3 積分形速度式 ◎ 速度式: 微分方程式 ⇒ 濃度を時間の関数として得るためには積分が必要
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
La及びY添加した層状熱電変換酸化物Ca349の結晶構造と熱電特性 H.Nakatsugawa and G.Kametani
22・3 積分形速度式 ◎ 速度式: 微分方程式 ⇒ 濃度を時間の関数として得るためには積分が必要
今後の予定 7日目 11月12日 レポート押印 1回目口頭報告についての説明 講義(4章~5章),班で討論
流動を伴う物質移動(p.483) y x 壁を伝わって流れ落ちる 薄い液膜にA成分が拡散 δ NA,y 速度分布:p.96.
福井工業大学 原 道寛 学籍番号____ 氏名________
課題 1 N3H N3H 3 3 N2 H2 N2 H2.
課題 1 課題提出時にはグラフを添付すること.
シェールガス資源量評価を目的としたケロジェンナノ孔隙内のメタン吸着挙動に関する分子動力学シミュレーション
Pb添加された[Ca2CoO3]0.62CoO2の結晶構造と熱電特性
イミダゾリウム系イオン液体(3)ー分子性液体(2)混合溶液の二酸化炭素溶解度(1)
課題 1 課題提出時にはグラフを添付すること.
2008年6月5日 非線形方程式の近似解 2分法,はさみうち法,Newton-Raphson法)
課題 1 課題提出時にはグラフを添付すること.
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
課題 1 課題提出時にはグラフを添付すること.
北大MMCセミナー 第82回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2018年4月26日(木) 16:30~18:00
電解質を添加したときの溶解度モデル – モル分率とモル濃度
外部条件に対する平衡の応答 ◎ 平衡 圧力、温度、反応物と生成物の濃度に応じて変化する
ヒント (a) P. 861 表22・3 積分型速度式 のどれに当てはまるか? (b) 半減期の定義は?  
ヒント.
Presentation transcript:

微粒子合成化学・講義 E-mail: mura@tagen.tohoku.ac.jp 村松淳司 http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/muramatsu/MURA/kogi/fine-p/index.html E-mail: mura@tagen.tohoku.ac.jp 村松淳司

吸着と触媒反応

吸着が始まり 物理吸着  蝿的吸着 弱い吸着: 必ず自然界にある 化学吸着  蚊的吸着 強い吸着: 化学結合を伴う

Table 化学吸着と物理吸着 吸着特性 化学吸着 物理吸着 吸着力 化学結合 ファン・デル・ワールス力 吸着場所 選択性あり 選択性なし 吸着層の構造 単分子層 多分子層も可能 吸着熱 10~100kcal/mol 数kcal/mol 活性化エネルギー 大きい 小さい 吸着速度 遅い 速い 吸着・脱離 可逆または非可逆 可逆 代表的な吸着の型 ラングミュア型 BET型  

物理吸着

物理吸着

物理吸着

                                                                                             

物理吸着                                                                                            

化学吸着

化学吸着 解離吸着 Ex. CO + M(吸着サイト) → C-M + O-M 非解離吸着 Ex. CO + M(吸着サイト) → CO-M

吸着等温線

吸着等温式 Langmuir Henry Freundlich Frumkin-Temkin p: 吸着平衡圧 v: 吸着量 b: 飽和吸着量 θ= v / b θ << 1のときに相当

吸着等温式 Langmuir Henry Freundlich Frumkin-Temkin ほとんどの化学吸着が該当する 吸着熱は吸着量に無関係であるのが理論であるが、必ずしも理論には合わない場合がある Henry 直線的に吸着量が増加する式だが実際にはLangmuir型の一部とされている場合が多い Freundlich 吸着熱は ln v(吸着量)と直線関係にある 中間部分はLangmuir型に近いので見極めが難しい Frumkin-Temkin 金属鉄上へのアンモニアや窒素吸着で提出された特殊なケース 吸着熱は吸着量とともに直線的に減少する

化学吸着 ・Langmuir式(理論式) (1) kf,kb,吸着および脱着反応速度定数 (2) qm,飽和吸着量  平衡状態においてdq/dt = 0なので (3) KA,吸着定数

化学吸着 ・Freundlich式(実験式) (4) k,n,フロインドリッヒ定数;CA,吸着質の平衡濃度 (※吸着質(adsorbate):吸着される物質のこと)

吸着から表面反応へ

触媒反応 物理吸着 化学吸着 表面反応 脱離 ここで終わったら、単なる吸着現象

例: メタノール合成反応 合成ガスからメタノールを合成する反応 CO + 2H2 → CH3OH ポイントはC=O間の非解離。H-H間の解離

可逆 物理吸着  →化学吸着 可逆 CH3OH 不可逆 表面反応

表面反応 不可逆過程が多い 表面反応が律速段階になる場合が多い 逆反応が圧倒的に不利な場合 表面反応にも多くの段階がある どこが律速段階か、は、アレニウスプロットで知ることができる

例:メタノール合成 合成ガスからメタノールを合成する反応 CO + 2H2 → CH3OH COガス→CO(化学吸着) H2ガス→ H2 (化学吸着)→2H(解離吸着) CO(吸着)+H→CHO(吸着) <律速段階> CHO(吸着)+H→CH2O(吸着) CH2O(吸着)+H→CH3O(吸着) CH3O(吸着)+H→ CH3OH(吸着) CH3OH(吸着)→(脱離)CH3OH

活性化エネルギー アレニウスの式 ここで,A は頻度因子,E は活性化エネルギーである.この式は異なる温度での速度定数がわかれば,活性化エネルギーを求めることを示している.  アレニウスの式は,ボルツマン分布の式と同じ形をしていることが重要である.活性化エネルギーは,反応が起きる途中の,中間体になるためのエネルギーであるが,その中間体の存在する割合が,反応速度を支配していると言うことを示している.  反応速度の解析は,様々な物質が共存するような反応において,反応のメカニズムを解明する上で,重要となる

見かけの活性化エネルギー 傾きがEa ln (k) 1/T 実験データから、ln (k)=y軸、と1/T=x軸のプロットをすると、傾きがEa=活性化エネルギーとなる 傾きがEa ln (k) 1/T