6-1.レオロジー 固体・液体 フック固体(完全弾性体) ニュートン液体(理想液体) 応力ひずみ曲線が直線 載荷速度が変わってもσ-ε曲線の位置、勾配は不変 ニュートン液体(理想液体) 応力にひずみ速度( )が比例 η:粘性係数
6-1.レオロジー
6-1.レオロジー 粘弾性体 サンブナン固体(完全弾塑性体) ビンガム体 σ<降伏応力(σ0) 降伏応力到達後 σ>降伏応力(σ0) フック固体として挙動 降伏応力到達後 外力と材料の内力が釣り合ったまま、降伏応力を保持して変形 ビンガム体 流動しない σ>降伏応力(σ0) ニュートン液体と同様の挙動 ηpl:塑性粘度
6-1.レオロジー
6-1.レオロジー 粘弾性体 マックスウェル液体 フック固体とニュートン液体の両方の性質(直列接続) フック固体 : ニュートン液体 : フック固体 : ニュートン液体 : マックスウェル液体 :
6-1.レオロジー
6-1.レオロジー 粘弾性体 マックスウェル液体 t=0においてσ=σ0→ε=ε0(保持: ) t→∞においてσ→0(応力緩和) 緩和時間:初期応力が1/eに低下するのに要する時間 t=0においてσ=σ0 σ=σ0を保持する場合( ): で引っ張る の場合:応力σ0は低下 の場合:応力σ0は増加
6-1.レオロジー 粘弾性体 ケルビン固体 フック固体とニュートン液体を並列接続 t=0においてε=ε0、σ=const.の場合 σ=Eε0の場合:ε=ε0=σ0/E=const. σ>Eε0の場合:εは増加 σ<Eε0の場合:εは減少 ε0=0で、σ=σ0が作用する場合 弾性ひずみは徐々にσ0/Eに近付く 応力を0に戻すと、弾性ひずみは徐々に0に戻る
6-1.レオロジー ケルビン固体
6-2.建築材料中の水分の移動 大気中の水蒸気 蒸発 :水が物体の表面から気化すること 水蒸気圧:一定の容器内で蒸発するときの水蒸気の圧力 蒸発 :水が物体の表面から気化すること 水蒸気圧:一定の容器内で蒸発するときの水蒸気の圧力 T:絶対温度、d:水蒸気の密度、R:気体定数、M:水の分子量 水蒸気が空気と混在する場合:p=水蒸気の分圧 飽和蒸気圧 P:飽和蒸気圧(Pa)、t:温度(℃) 湿度 絶対湿度:ある温度の単位体積の空気中に含まれている水蒸気の量 相対湿度
6-2.建築材料中の水分の移動
6-2.建築材料中の水分の移動 吸湿 平衡水分 平衡含水率(=平衡水分/乾燥質量×100) 吸着曲線≠脱着曲線(ヒステリシス) 物質を一定の温度・湿度の空気中に静置し平衡状態に達した場合、物質に含有されている水分 平衡含水率(=平衡水分/乾燥質量×100) 相対湿度が高いほど、温度が低いほど大きい 吸着曲線≠脱着曲線(ヒステリシス)
6-2.建築材料中の水分の移動
6-2.建築材料中の水分の移動
6-2.建築材料中の水分の移動 吸水 材料の毛細管や気孔中に毛細管現象により水が侵入する現象 毛細管上昇高さ T:水の表面張力 α:鉛直線と表面張力のなす角度 ρ:水の密度 g:重力加速度 r:毛細管の半径(または、2平面間の距離) 温度の上昇→水の表面張力の減少→毛細管上昇高さの減少
6-2.建築材料中の水分の移動 吸水 材料の構造・組織と吸水 稠密組織(金属、ガラスなど) 気孔組織 水分は表面のクラックに吸着されるのみで、吸水率はゼロ 気孔組織 気孔の隔壁を構成する物質の構造の影響 気孔の分布の影響 気孔の連続性の影響 発泡ガラス(独立気孔) 水は内部に侵入不可 セメント水和物(比表面積7~150m2/g) 羽毛状結晶の間隙や多数分布する気孔内に水が侵入 吸水率:数%以上 木材 細胞内および細胞間に水が容易に侵入 飽和状態の含水率:100%以上
6-2.建築材料中の水分の移動 水分の移動 材料中の水分の移動:液体または気体の状態 透湿:隔壁の一方側から他方側への水蒸気の移動 気体中の水蒸気→隔壁の一面に吸湿→隔壁中の拡散→他面からの放出 隔壁の温度<露点の場合 結露→隔壁に吸収→水蒸気として移動 透水:水がそのまま隔壁中を移動
6-2.建築材料中の水分の移動 水分の移動
6-2.建築材料中の水分の移動 水分の移動 透湿 湿流密度 透湿量(定常状態) 移動方向に垂直な単位面積を単位時間に通過する水蒸気の量 λ:湿気伝導率、ρ:水の密度、q:湿気密度、t:時間、c:定数 D:湿気拡散係数(=λ/cρ) 透湿量(定常状態) d:透湿率、p1,p2:隔壁の各側に作用する水蒸気圧 a:面積、t:時間、l:隔壁の厚さ
6-2.建築材料中の水分の移動 水分の移動 透水(多孔体中の流体の透過) Poiseuilleの法則 D’Arcyの法則 細管中を流れている流体の質量 r:管の半径、l:管の長さ、h:流入側と流出側の水頭差 η:粘性係数 D’Arcyの法則 l:流体の透過方向の材料の長さ、n:間隙率、A:全断面積 :管の平均半径、Cs:係数、K:透水係数(定常流の場合)
6-2.建築材料中の水分の移動 含水状態
6-2.建築材料中の水分の移動 含水状態
6-2.建築材料中の水分の移動 乾燥 固体表面からの水の蒸発 表面における水の分布密度の減少 固体の表面と内部との間に含水率の差が発生 内部の水が表面に拡散移動 固体の乾燥条件 表面からの水の蒸発 内部における水の拡散移動 液体の水としての移流 水蒸気としての拡散
6-2.建築材料中の水分の移動 乾燥 恒率乾燥 固体表面が水の層で覆われている場合 固体表面に凹凸がある場合 蒸発は自由水面からの蒸発と同じ 自由表面積は平滑面とみなした表面積よりかなり大きいので、乾燥速度が極大示す場合(AB間)がある
6-2.建築材料中の水分の移動 乾燥 恒率乾燥 材料表面からの蒸発速度 Ps:境膜内側の蒸気圧、P:周囲の蒸気圧、Hs:境膜内側の湿度 H:周囲の湿度、w:水分蒸発量、A:蒸発表面積、t:乾燥時間 K:表面蒸発係数、K’:物質移動係数
6-2.建築材料中の水分の移動 乾燥 減率乾燥 減率乾燥第一段 減率乾燥第二段 水分の内部移動速度<表面蒸発速度 表面の水膜が不連続 実験式 初期 後期 α:含水率 αc:限界含水率(恒率乾燥と減率乾燥との境界) t:αcからαにまで乾燥する時間 M:乾燥材料の全容積、A:乾燥面積、K:実験定数 減率乾燥第二段 内部で水が蒸発→表面まで水蒸気として拡散移動 乾燥速度は、水蒸気の内部の拡散速度に支配される
6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 体積変化 各粒子・各繊維の表面に水膜→各粒子・各繊維は接触困難→膨張 恒率乾燥段階 含水率の減少に比例して収縮 減率乾燥段階 各粒子は相互に接触、収縮しない
6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 体積変化
6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 体積変化
6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 強度 一般には、含水率の増大により強度低下 乾燥によりコンクリートの曲げ強度は低下 飽水したコンクリートは圧縮されると内部に静水圧を生じ、内部引張応力が増大 濡れた固体表面では表面エネルギー低下 乾燥によりコンクリートの曲げ強度は低下 表面と内部の含水率の差により表面が収縮→表面に引張応力発生→引張縁応力に加算される
6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 木材の強度
6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 熱伝導率 セラミックス・有機材料 吸水→熱伝導率の増大
6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 電気伝導性 セラミックス・有機材料 耐久性 乾燥状態:電気抵抗大、湿潤状態:導電性 無機材料 乾湿に伴う容積変化に伴う組織の弛緩 含有水の凍結融解による繰返し応力に伴う組織の弛緩 天然有機材料 腐朽の進行 金属 腐食 有機系接着剤 軟化