6-1.レオロジー 固体・液体 フック固体(完全弾性体) ニュートン液体(理想液体) 応力ひずみ曲線が直線

Slides:



Advertisements
Similar presentations
宇宙ジェット形成シミュレー ションの 可視化 宇宙物理学研究室 木村佳史 03S2015Z. 発表の流れ 1. 本研究の概要・目的・動機 2. モデルの仮定・設定と基礎方程式 3. シンクロトロン放射 1. 放射係数 2. 吸収係数 4. 輻射輸送方程式 5. 結果 6. まとめと今後の発展.
Advertisements

1 今後の予定 8 日目 11 月 17 日(金) 1 回目口頭報告課題答あわせ, 第 5 章 9 日目 12 月 1 日(金) 第 5 章の続き,第 6 章 10 日目 12 月 8 日(金) 第 6 章の続き 11 日目 12 月 15 日(金), 16 日(土) 2 回目口頭報告 12 日目 12.
第2章 機械の強度と材料 機械の必要条件 ★壊れない ★安全である ★正しく機能する そのためには・・・ ★適切な材料を使う
FUT 原 道寛 名列___ 氏名_______
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
1.ボイルの法則・シャルルの法則 2.ボイル・シャルルの法則 3.気体の状態方程式・実在気体
医薬品素材学 I 1 物理量と単位 2 気体の性質 1-1 物理量と単位 1-2 SI 誘導単位の成り立ち 1-3 エネルギーの単位
自己重力多体系の 1次元シミュレーション 物理学科4年 宇宙物理学研究室  丸山典宏.
医薬品素材学 I 3 熱力学 3-1 エネルギー 3-2 熱化学 3-3 エントロピー 3-4 ギブズエネルギー 平成28年5月13日.
常微分方程式と偏微分方程式 1.常微分方程式 独立変数が一個のもの 振動の運動方程式 2.偏微分方程式 独立変数が二個以上のもの
総合基礎薬学特別講義 I 平成26年6月7日.
硬化コンクリートの性質 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
・図解「建築の構造と構法」 26~33ページ ・必携「建築資料」 16 ~19ページ
天秤の釣り合い 棒と糸の重さは無視できるものとし,(ア)から(カ)に はたく重さを求めよ。.
セラミックス 第9回 6月18日(水) セラミックスの物性.
固体電解コンデンサの耐電圧と漏れ電流 -アノード酸化皮膜の表面欠陥とカソード材料の接触界面-
電界(電場)は 1C に 働く力.
第3章.材料の強化機構.
モンテカルロ法と有限要素法の連成による 焼結のマイクロ‐マクロシミュレーション
コンクリートと鉄筋の性質 コンクリート工学研究室 岩城一郎.
凍害 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
セラミックス 第4回目 5月 7日(水)  担当教員:永山 勝久.
使用限界状態 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
原子核物理学 第4講 原子核の液滴模型.
コンクリートの強度 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
硬化コンクリートの性質 弾性係数,収縮・クリープ
圧力発展格子ボルツマン法による大規模気液二相流GPUコードの開発 ならびに多孔体浸潤液滴シミュレーション
蒸気圧と沸点 『水の沸点は変化する』.
プレストレス(Prestress)のロス(Loss)
セラミックス 第11回目 7月4日(水).
塑性加工 第1回 今日のテーマ 塑性変形とは(塑性変形した後どうなる?) (応力(圧力)とひずみ(伸び)、弾性変形) 金属組織と変形
地学b 第5回雲と降水 Koji Yamazaki (山崎孝治)
2 物質の膜透過機構  吸収・分布・代謝・排泄の過程は、生体膜を透過することが基本.
計測工学15.
流体の粘性項を 気体分子運動論の助けを借りて、 直感的に理解する方法
黒体輻射 1. 黒体輻射 2. StefanのT4法則、 Wienの変位測 3. Rayleigh-Jeansの式
応力-ひずみ関係 断面積A,長さLの物体に,(軸)力Pが作用した際,ΔLだけ伸びた(あるいは縮んだ).
今後の予定 4日目 10月22日(木) 班編成の確認 講義(2章の続き,3章) 5日目 10月29日(木) 小テスト 4日目までの内容
22章以降 化学反応の速度 本章 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現
材料強度学の目的 機械とは… 材料強度学 外部から力を加えて、人に有益な仕事をするシステム 環境 力 材料 材料の破壊までを考える。
シリカガラスの熱的性質 I 粘度,特性温度,熱膨張,比熱,熱伝導 福井大学工学部 葛生 伸.
レポートの書き方 ホチキス (ノリ付け不可) レポート(宿題): 鉛筆不可 演習、ミニテスト: 鉛筆可 左右上下に 25mmの マージン
化学工学基礎 −後半の後半− 第1回目講義 (2009年7月10日) 1 担当 二又裕之 物質工学1号館別館253ー3号室
応力(stress, s, t ) 自由物体図(free-body diagram)において、外力として負荷荷重P が作用したとき、任意の切断面で力の釣り合いを考慮すると、面における単位面積あたりの内力が存在する、それを応力といい、単位は、Pa(N/m2) で表す。面に垂直に働く垂直応力、s と平行に働くせん断応力、
Diffusion coefficient (拡散係数)
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
連続体とは 連続体(continuum) 密度*が連続関数として定義できる場合
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
Chapter 26 Steady-State Molecular Diffusion
鉄筋コンクリート構造の材料(2) ・図解「建築の構造と構法」     93~97ページ ・必携「建築資料」   材料:78~81ページ.
第1回、平成22年6月30日 ー FEM解析のための連続体力学入門 - 応力とひずみ 解説者:園田 恵一郎.
低温物体が得た熱 高温物体が失った熱 = 得熱量=失熱量 これもエネルギー保存の法則.
4章:曲げモーメントを受ける部材 キーワード:非線形挙動、断面解析、終局耐力、 等価応力ブロックによる塑性解析、
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> <換気設備> 自然換気の仕組みと基礎
今後の予定 (日程変更あり!) 5日目 10月21日(木) 小テスト 4日目までの内容 小テスト答え合わせ 質問への回答・前回の復習
配合設計 コンクリート工学研究室 岩城一郎.
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
今後の予定 7日目 11月12日 レポート押印 1回目口頭報告についての説明 講義(4章~5章),班で討論
流動を伴う物質移動(p.483) y x 壁を伝わって流れ落ちる 薄い液膜にA成分が拡散 δ NA,y 速度分布:p.96.
鉄筋コンクリートとは? 鉄筋とコンクリートという異なる2種類の材料が双方の短所を補うことにより,一体となって外力に抵抗するもの.
超流動デモ実験 低温物質科学研究センター 松原 明 超流動4Heが見せる不思議な世界 ・超流動4He ・スーパーリーク ・噴水効果
3.建築材料の密度 密度の支配因子 原子量 原子の配列状態 一般的に原子量(原子番号)が大きいほど、密度は大きい
・Bernoulli(ベルヌーイ)の定理
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
塑性加工 第2回 今日のテーマ ・応力ーひずみ線図の正しい見方 (ヤング率はなぜ異なるのか?) (引張と圧縮は同じ?)
コンクリート構造物の 力学を学ぶために コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
熱伝導方程式の導出 熱伝導:物質の移動を伴わずに高温側から低温側へ熱が伝わる現象 対流、輻射 フーリエの法則Fourier’s law:
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
固体→液体 液体→固体 ヒント P131  クラペイロンの式 左辺の微分式を有限値で近似すると?
Presentation transcript:

6-1.レオロジー 固体・液体 フック固体(完全弾性体) ニュートン液体(理想液体) 応力ひずみ曲線が直線 載荷速度が変わってもσ-ε曲線の位置、勾配は不変 ニュートン液体(理想液体) 応力にひずみ速度(        )が比例 η:粘性係数 

6-1.レオロジー

6-1.レオロジー 粘弾性体 サンブナン固体(完全弾塑性体) ビンガム体 σ<降伏応力(σ0) 降伏応力到達後 σ>降伏応力(σ0) フック固体として挙動 降伏応力到達後 外力と材料の内力が釣り合ったまま、降伏応力を保持して変形 ビンガム体 流動しない σ>降伏応力(σ0) ニュートン液体と同様の挙動 ηpl:塑性粘度

6-1.レオロジー

6-1.レオロジー 粘弾性体 マックスウェル液体 フック固体とニュートン液体の両方の性質(直列接続) フック固体 : ニュートン液体 : フック固体 : ニュートン液体 : マックスウェル液体 :

6-1.レオロジー

6-1.レオロジー 粘弾性体 マックスウェル液体 t=0においてσ=σ0→ε=ε0(保持: ) t→∞においてσ→0(応力緩和) 緩和時間:初期応力が1/eに低下するのに要する時間 t=0においてσ=σ0 σ=σ0を保持する場合(    ):       で引っ張る        の場合:応力σ0は低下        の場合:応力σ0は増加

6-1.レオロジー 粘弾性体 ケルビン固体 フック固体とニュートン液体を並列接続 t=0においてε=ε0、σ=const.の場合 σ=Eε0の場合:ε=ε0=σ0/E=const. σ>Eε0の場合:εは増加 σ<Eε0の場合:εは減少 ε0=0で、σ=σ0が作用する場合 弾性ひずみは徐々にσ0/Eに近付く 応力を0に戻すと、弾性ひずみは徐々に0に戻る

6-1.レオロジー ケルビン固体

6-2.建築材料中の水分の移動 大気中の水蒸気 蒸発 :水が物体の表面から気化すること 水蒸気圧:一定の容器内で蒸発するときの水蒸気の圧力 蒸発   :水が物体の表面から気化すること 水蒸気圧:一定の容器内で蒸発するときの水蒸気の圧力 T:絶対温度、d:水蒸気の密度、R:気体定数、M:水の分子量 水蒸気が空気と混在する場合:p=水蒸気の分圧 飽和蒸気圧 P:飽和蒸気圧(Pa)、t:温度(℃) 湿度 絶対湿度:ある温度の単位体積の空気中に含まれている水蒸気の量 相対湿度

6-2.建築材料中の水分の移動

6-2.建築材料中の水分の移動 吸湿 平衡水分 平衡含水率(=平衡水分/乾燥質量×100) 吸着曲線≠脱着曲線(ヒステリシス) 物質を一定の温度・湿度の空気中に静置し平衡状態に達した場合、物質に含有されている水分 平衡含水率(=平衡水分/乾燥質量×100) 相対湿度が高いほど、温度が低いほど大きい 吸着曲線≠脱着曲線(ヒステリシス)

6-2.建築材料中の水分の移動

6-2.建築材料中の水分の移動

6-2.建築材料中の水分の移動 吸水 材料の毛細管や気孔中に毛細管現象により水が侵入する現象 毛細管上昇高さ T:水の表面張力 α:鉛直線と表面張力のなす角度 ρ:水の密度 g:重力加速度 r:毛細管の半径(または、2平面間の距離) 温度の上昇→水の表面張力の減少→毛細管上昇高さの減少

6-2.建築材料中の水分の移動 吸水 材料の構造・組織と吸水 稠密組織(金属、ガラスなど) 気孔組織 水分は表面のクラックに吸着されるのみで、吸水率はゼロ 気孔組織 気孔の隔壁を構成する物質の構造の影響 気孔の分布の影響 気孔の連続性の影響 発泡ガラス(独立気孔) 水は内部に侵入不可 セメント水和物(比表面積7~150m2/g) 羽毛状結晶の間隙や多数分布する気孔内に水が侵入 吸水率:数%以上 木材 細胞内および細胞間に水が容易に侵入 飽和状態の含水率:100%以上

6-2.建築材料中の水分の移動 水分の移動 材料中の水分の移動:液体または気体の状態 透湿:隔壁の一方側から他方側への水蒸気の移動 気体中の水蒸気→隔壁の一面に吸湿→隔壁中の拡散→他面からの放出 隔壁の温度<露点の場合 結露→隔壁に吸収→水蒸気として移動 透水:水がそのまま隔壁中を移動

6-2.建築材料中の水分の移動 水分の移動

6-2.建築材料中の水分の移動 水分の移動 透湿 湿流密度 透湿量(定常状態) 移動方向に垂直な単位面積を単位時間に通過する水蒸気の量 λ:湿気伝導率、ρ:水の密度、q:湿気密度、t:時間、c:定数 D:湿気拡散係数(=λ/cρ) 透湿量(定常状態) d:透湿率、p1,p2:隔壁の各側に作用する水蒸気圧 a:面積、t:時間、l:隔壁の厚さ

6-2.建築材料中の水分の移動 水分の移動 透水(多孔体中の流体の透過) Poiseuilleの法則 D’Arcyの法則 細管中を流れている流体の質量 r:管の半径、l:管の長さ、h:流入側と流出側の水頭差 η:粘性係数 D’Arcyの法則 l:流体の透過方向の材料の長さ、n:間隙率、A:全断面積  :管の平均半径、Cs:係数、K:透水係数(定常流の場合)

6-2.建築材料中の水分の移動 含水状態

6-2.建築材料中の水分の移動 含水状態

6-2.建築材料中の水分の移動 乾燥 固体表面からの水の蒸発 表面における水の分布密度の減少 固体の表面と内部との間に含水率の差が発生 内部の水が表面に拡散移動 固体の乾燥条件 表面からの水の蒸発 内部における水の拡散移動 液体の水としての移流 水蒸気としての拡散

6-2.建築材料中の水分の移動 乾燥 恒率乾燥 固体表面が水の層で覆われている場合 固体表面に凹凸がある場合 蒸発は自由水面からの蒸発と同じ 自由表面積は平滑面とみなした表面積よりかなり大きいので、乾燥速度が極大示す場合(AB間)がある

6-2.建築材料中の水分の移動 乾燥 恒率乾燥 材料表面からの蒸発速度 Ps:境膜内側の蒸気圧、P:周囲の蒸気圧、Hs:境膜内側の湿度 H:周囲の湿度、w:水分蒸発量、A:蒸発表面積、t:乾燥時間 K:表面蒸発係数、K’:物質移動係数

6-2.建築材料中の水分の移動 乾燥 減率乾燥 減率乾燥第一段 減率乾燥第二段 水分の内部移動速度<表面蒸発速度 表面の水膜が不連続 実験式 初期 後期 α:含水率 αc:限界含水率(恒率乾燥と減率乾燥との境界) t:αcからαにまで乾燥する時間 M:乾燥材料の全容積、A:乾燥面積、K:実験定数 減率乾燥第二段 内部で水が蒸発→表面まで水蒸気として拡散移動 乾燥速度は、水蒸気の内部の拡散速度に支配される

6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 体積変化 各粒子・各繊維の表面に水膜→各粒子・各繊維は接触困難→膨張 恒率乾燥段階 含水率の減少に比例して収縮 減率乾燥段階 各粒子は相互に接触、収縮しない

6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 体積変化

6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 体積変化

6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 強度 一般には、含水率の増大により強度低下 乾燥によりコンクリートの曲げ強度は低下 飽水したコンクリートは圧縮されると内部に静水圧を生じ、内部引張応力が増大 濡れた固体表面では表面エネルギー低下 乾燥によりコンクリートの曲げ強度は低下 表面と内部の含水率の差により表面が収縮→表面に引張応力発生→引張縁応力に加算される

6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 木材の強度

6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 熱伝導率 セラミックス・有機材料 吸水→熱伝導率の増大

6-2.建築材料中の水分の移動 含水率と材料物性 電気伝導性 セラミックス・有機材料 耐久性 乾燥状態:電気抵抗大、湿潤状態:導電性 無機材料 乾湿に伴う容積変化に伴う組織の弛緩 含有水の凍結融解による繰返し応力に伴う組織の弛緩 天然有機材料 腐朽の進行 金属 腐食 有機系接着剤 軟化