デフレ・スパイラル 2009年以降の事例から 長谷川 正 2309805
1.デフレ・スパイラルとは 2.デフレの原因 3.デフレ・スパイラルのメカニズム 4.デフレ・スパイラルへの政策対応 目次 1.デフレ・スパイラルとは 2.デフレの原因 3.デフレ・スパイラルのメカニズム 4.デフレ・スパイラルへの政策対応
牛丼の値段(すき家) 現在 280円 2007年 350円
主な物価の上昇率(前年同期比)
1.デフレ・スパイラルとは ・デフレ:デフレーション(deflation) 物価が持続的に下落すること ・スパイラル(spiral) 螺旋(らせん) 物価下落と景気低迷の悪循環
デフレ・スパイラルの概念図
2.デフレの原因 景気が悪いから=総需要が総供給に比 べ少ないから 売れないと物価は下がる
3.デフレ・スパイラルのメカニズム (その1)
(その2)金融資産・負債 (1)個人から企業に200万円を貸している場合 ・個人 金融資産200万円 ・企業 金融負債200万円 ・個人 金融資産200万円 ・企業 金融負債200万円 (2)物価が10%下落すると ・個人 金融資産は実質的に220万円に増加 ・企業 金融負債は実質的に220万円に増加 企業(借手)から個人(貸手)に20万円だけ所得が移転
試算:デフレの企業部門への影響(2009年)
企業部門から家計部門への所得移転の効果 ・企業 所得が1億円減少 設備投資が0.75億円減少 ・家計 所得が1億円減少 設備投資が0.75億円減少 ・家計 所得が1億円増加 消費が0.63億円増加 景気は悪化
4.デフレ・スパイラルへの政策対応 「すでにデフレ・スパイラルに陥っている局面」での政策対応 効果の大きい対応策はない 金融政策:効果は限定的 財政政策:赤字拡大策は不可能
「平時」での政策対応 ・インフレーション・ターゲッティング政策の採用 日本銀行は、物価上昇率、例えば消費者 物価上昇率目標を2~4%とする。 日本銀行は、物価上昇率、例えば消費者 物価上昇率目標を2~4%とする。 ・名目賃金を物価下落に応じて調整することは、結果的には労働者の痛手を軽減することになる。 ・物価変動に応じて金融資産価格・利子率を調整する。