制度経済学Ⅰ⑦ DVD質問 Q1 多重派遣とは? Q2 なぜ違法派遣が増えている? Q3 社会保険に未加入の派遣は違法か?

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制度経済学Ⅰ③ DVD質問 Q1 日本経済にとり中国経済がもつ意味? Q2 中国中流世帯の特徴? Q3 中国市場でいかに生き残るか?
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制度経済学Ⅰ⑦ DVD質問 Q1 多重派遣とは? Q2 なぜ違法派遣が増えている? Q3 社会保険に未加入の派遣は違法か? ク現代 2007.9.19.

Q1 多重派遣とは? Q2 なぜ違法派遣が増えている?

Q3 社会保険未加入と派遣労働

どうしてこうなったのか? かつて日本の勤労者の80%は正社員であった それがバブル崩壊とともに日本的雇用慣行が崩壊する 現在、非正社員の比率は30%を超えている 女性は50%を超えている  女性のなかでも正社員、派遣、パートの順に  労働条件はダウンする  一口にいって派遣とは、「労働法なき世界」  これでは正常な労働市場は成立しない

派遣労働以前のストーリー 完全雇用の時代ー1950-1975年 ケインズ的経済運営 従業員=消費者 従業員の所得増→最終消費増→成長促進 このマクロ経済回路がバブル崩壊以降、機能低下する 需要水準維持よりもむしろ 経営者は コスト削減 を目的にする  その結果 賃金水準のダウン

つまり、マクロ経済回路は    所得増→成長促進  から    所得増→コスト増  になる なぜか?  企業の海外競争はコスト要因で決まる  はたしてそうなのか?  海外競争のもうひとつの要因は品質であり、  高品質であれば、高コストも十分相殺しうる

完全雇用の時代の賃金決定  市場の動きにそれほど感応しない賃金の動き  賃金の動きの決定要因は制度化される  1 団体交渉制度 春闘   2 企業の労働生産性に連動  3 インフレに連動  ところが現在では1-3はいずれも機能しない

現在の賃金決定 市場による決定が重要になっている 派遣労働も水準を引き下げる要因である 企業の論理は露骨である 日本経団連の提言「派遣労働のさらなる規制緩和改革」を政府提案 企業がさらに派遣労働者を使いやすくする 国際競争という名目、

いかにして対応するのか? 裁判、訴訟の積み重ね 国の責任は大きい 国民の正常な生活を保障できないような働き方が急増している 2008年春派遣法改正 正社員化への道 だが、現実には「leaders only for the name」  が増える 名ばかり管理職

なぜ「労働法なき世界」がまかり通るのか? 「悪貨が良貨を駆逐する」 法の支配の必要 だが 法律の支配は天から降ってこない 人が法律を作り、機能させる 法に従わない人を監督する機関 県レベルの労働局、指導員による是正指導 はたして十分な人員の配置?規制緩和の盲点ではないか

規制緩和さえすれば、消費者にとって便利、サービス向上という安易な宣伝文句 企業にとってもコストダウンのメリット、 これらのメリットに対して、しわ寄せは労働者に押し付けられる 社会的な弱さ 1500万人の声をどうくみ上げるか それなしには日本の経済力は短期的には利益があっても、長期的には展望がない    F6