貨幣の役割と貨幣市場 経済学B 第 9 回 畑農鋭矢 1
貨幣の役割 価値尺度 財の価値を表す共通の尺度 交換手段 物々交換⇒欲望の二重の一致 貨幣によって交換が容易に 価値の保蔵手段 安全資産としての保蔵手段
貨幣の範囲 通貨対象 M1M2M3 広義流動性 現金通貨(日銀券 +補助通貨) 預金通貨 (普通預金・当座 預金など) 主要銀行・信 用金庫など ゆうちょ銀 行・信用組合 など 準通貨 (定期預金など) 主要銀行・信 金など ゆうちょ銀 行・信用組合 など 債券(国債・金融 債・社債など)・ 信託など
貨幣需要 取引動機 交換手段としての貨幣 予備的動機 不確実性に対処するための流動性の確保 資産選択動機 価値の保蔵手段としての貨幣 利子率との関係 利子率が高いと貨幣保有は不利 ⇒貨幣需要と利子率は負の関係(右下が り)
貨幣数量説 フィッシャーの交換方程式 MV=PY M :貨幣量 V :貨幣の流通速度 P :物価水準 Y :実質 GDP ケンブリッジ方程式 M=kPY k :マーシャルの k k = 1 / V 貨幣量は名目 GDP に比例( k 倍)
貨幣供給のコントロール 公定歩合政策 公定歩合:日本銀行が民間銀行に 貸し出す際の利子率 公開市場操作 日本銀行が国債などを市場で売買するこ と (貨幣と交換) 買いオペレーション⇒貨幣供給 ↑ 売りオペレーション⇒貨幣供給 ↓
貨幣市場の均衡と利子率の決定 貨幣量 M 0 /P 貨幣需要曲線 貨幣供給 i0i0 M 1 /P i1i1 貨幣供給の増加 ( M 0 ⇒ M 1 ) 貨幣供給の増加⇒利子率の低下
貨幣市場の均衡と GDP 貨幣量 M/P Y 0 のときの貨幣需要曲線 貨幣供給 i0i0 i1i1 Y 1 のときの貨幣需要曲線 GDP の増加 ( Y 0 ⇒ Y 1 ) GDP の増加⇒利子率の上昇
GDP と利子率の関係( LM 曲線 ) GDP 貨幣供給( M/P )の増加⇒利子率の低 下 LM 曲線