(b) 定常状態の近似 ◎ 反応機構が2ステップを越える ⇒ 数学的な複雑さが相当程度 ◎ 多数のステップを含む反応機構 ◎ 反応機構が2ステップを越える ⇒ 数学的な複雑さが相当程度 ◎ 多数のステップを含む反応機構 通常解析的には解けない ⇒ 別の解法が必要 ・ 速度式の数値積分 ・ 近似 ◎ 定常状態の近似 反応初期の誘導期の後は、 反応の主要な部分が起こっている間, すべての反応中間体 I の濃度の変化 速度が,無視できるほど小さいと仮定
○ 逐次1次反応への適用 ⇒ ゆえに、 これを P の生成速度式に代入すると、 ・ P は A の1次分解で生成 ・ 速度定数 ka (<< kb) (遅い方)
中間体
こ\\ kb [NO2][NO3] [NO] = -------------------- kc [N2O5] ka [N2O5] [NO3] =----------------------- (ka’ + kb) [NO2] kb [NO2][NO3] kb [NO2] ka [N2O5] ka kb [NO] = -------------------- =-----------------・--------------------- = ---------------------- kc [N2O5] kc [N2O5] (ka’ + kb) [NO2] kc (ka’ + kb) この式を中間体濃度を 含まない形で表す ka [N2O5] ka kb =- ka [N2O5] + ka’ [NO2] ・--------------------- - kc ・----------------- ・[N2O5] (ka’ + kb) [NO2] kc (ka’ + kb) ka ka’ ka kb ka =(- ka + ------------ - ------------ ) [N2O5] = ----------- {(ka’ + kb)- ka’ + kb } [N2O5] ka’ + kb ka’ + kb ka’ + kb
課題 1
(c) 律速段階 ○ kb >> ka のとき ・ 最終生成物 P の生成 小さい速度定数だけに依存 ⇒ P の生成速度は I が生成する速度に依存 I が P に変化する速度には依存しない ・ A → I のステップを反応 律速段階 ○ 律速段階 ・ 6車線の高速道路が1車線の橋に つながっている状態に比喩 (交通の流れは橋を渡る速度で支配) ・ 一般に最小の速度定数をもつステップで, 生成物ができるために絶対必要な通り道
○ 律速段階が存在する反応の速度式 ・ ほとんど見ただけで書ける場合が多い ・ 反応機構の第1ステップが律速 ⇒ (全反応速度)=(第1ステップの速度) ○ 最も遅いステップ 活性化エネルギー最大 ○ 律速段階 反応に必須の物質の濃度が 低いときにも発生
(d) 速度論的および熱力学的制御 ○ 同じ反応物からいろいろな生成物ができる反応 # 一置換ベンゼンのニトロ化 ○ 同じ反応物からいろいろな生成物ができる反応 # 一置換ベンゼンのニトロ化 置換基の指向性によって,オルト,メタ,パラ置換生成物 ○ 2種の生成物 P1 と P2 ・ 反応のある途中のステップ(平衡に達する前)で この2種の生成物が生じる相対比 生成物の割合に対する速度論的制御 ○ 反応を平衡に達するまで進行 ⇒ 生成物の割合は熱力学的に決定 濃度の比は反応物と生成物すべての標準ギブスエネルギーが支配
(e) 前駆平衡 ◎ 中間体 I が原系物質 A, B と平衡に達する機構 ka kb ka‘ 前駆平衡 中間体の生成速度と,それが分解して原系に戻る 速度が,生成系ができる速度よりもずっと速い ○ × ○ A, B, I が平衡にあると仮定 ⇒ ka[A][B] = ka’[I] ○ P の生成速度 複合した速度定数をもつ2次の速度式
I について定常状態の近似
課題 2