高校における英語の授業は英語でがベストか

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高校における英語の授業は英語でがベストか 言語教育論演習 A13LA015 上杉遥奈

反対 1.英語学習に対する意欲・心的な壁 2.母語も第二言語も土台は同じである 3.PPPとTBL ※提案

1.英語学習に対する意欲・心的な壁 ・Hall,G & Cook,G. 2013 “Own Language use in ELT: exploring global practices and attitudes” 英語教育における学習者の自言語の活用実態を報告 →世界各地の教室で文法訳読方式が一般的 クラス運営、教師と学習者間のラポート形成に自言語を活用 →自言語を用いた英語の授業

1.英語学習に対する意欲・心的な壁 ・Marco & Lee,2012 アンケート調査 →学習者は英語のみの授業に消極的な態度を示す傾向があった →英語嫌いを引き起こす可能性

1.英語学習に対する意欲・心的な壁 ・Levine, 2014 目標言語を使用する頻度 →教師より学習者の方が低い  学習者同士での会話ではさらに低くなる →教師が多く英語を使い、生徒の能力に関わらず英語を強いることは、生徒参加型の試 みを委縮させ、一方的な教え込みが英語で行われることになりかねない

2.母語も第二言語も土台は同じである ・J. Cummins 均衡理論 バイリンガルの言語能力の考え方について ▹分離規定言語能力モデル ▹共有規定言語能力モデル 表面的には二つの言語を別々に使っていても、底の方では様々な知識や能力、経験など を共有(氷山説)

2.母語も第二言語も土台は同じである →発達相互依存仮説 第二言語の能力の発達は母語の言語能力に依存するという考え =第一言語の能力が発達していれば第二言語を発達させやすい 言語能力▹基礎的対人伝達スキル     ▹認知学力的言語能力(L1とL2で相互に転移可能)     →L1で発達させる方が効果的では?

3.PPPとTBL ・Blitish Council Teaching English ▷PPP(Present Practice Produce) 新出語彙・文法の明示的説明、正確さに焦点を当てた練習、より自発的に言語を使用し意味に焦点を当てた言語使用活動、という流れに沿った授業(Skehan, 1998) →英語で行う必要はあるか? ▷TBL(A Task-based Learning Approach) タスクを意味に焦点が当てられていて、現実社会での言語使用を意識し、4 技能(読む、書く、聞く、話す)を用い、認知的プロセスを要する活動(Ellis,2003) →高校で行う必要はあるか?

※提案 ・高校の段階 日本語を用いた文法・単語などの基礎知識を教えることに特化 ↓ ・大学生~  日本語を用いた文法・単語などの基礎知識を教えることに特化 ↓ ・大学生~  留学などで、持っている知識を応用・使用する練習を取り入れる