新聞記事・雑誌記事 AERA 2016年1月18日版 「シンガポールの「和僑」たち」
シンガポールの税制 ワーキングマザーとしては、メイドの存在が当たり前なのが、何よりもありがたい。住み込みで食事から子どもの送り迎えまで頼めるので、出張も躊躇なく行ける。費用は月に税込みで9万円かかるが、所得税から全額控除できる。シンガポールは国家として、働く女性を支援していると感じる。 (AERA 2016年1月18日版 “シンガポールの「和僑」たち”)
シンガポールの税制:より厳密には Foreign Maid Levy (FML) Relief To claim this relief for the Year of Assessment (YA) 2016, you must satisfy all these conditions: You or your husband employed a foreign domestic worker in 2015; and In 2015, you were: married and lived with your husband; or married and your husband was not a tax resident in Singapore ; or separated from your husband, divorced or widowed and had children who lived with you and on whom you could claim child reliefs .
AERA記事で言及されているシンガポールの税控除が適用されるのは: 女性の場合に限定 (1)結婚している、(2) 離婚や死別した場合には、子どもがいる、のいずれか。 移民であり、かつ、家事を担う労働者を雇った場合
メイド雇用と控除の役割 収入: Y 控除額: D 課税所得:TB 所得税関数: T(TB) 可処分所得: DI メイドへの賃金支払い: E
控除の役割 可処分所得は、以下のようになる: Eを限界的に増やす場合を考える。そのとき、以下を評価する:
累進課税の場合の税額と課税所得(所得税関数)
控除の役割 ここで、 は限界税率(所得税関数の傾き)であることに注意。 累進課税制度をとっていると、 は、 TBが高いほど高くなる。 ここで、 は限界税率(所得税関数の傾き)であることに注意。 累進課税制度をとっていると、 は、 TBが高いほど高くなる。 同額のEであるなら、課税所得の高い人のほうが、割引が大きいことになる。 所得の高い世帯・個人のほうがメイドを雇うかどうか、という問題を別にしても、実質的な価格は、高所得者のほうが低くなる傾向がある。
© Yukiko Abe 2017 All rights reserved 弾力性 弾力性の定義 © Yukiko Abe 2017 All rights reserved
© Yukiko Abe 2017 All rights reserved 弾力性の利点:単位から独立 © Yukiko Abe 2017 All rights reserved
© Yukiko Abe 2017 All rights reserved 計算問題:弾力性の計算(1) 弾力性とは、対数の差分の比率になるので、それを利用できる場合がある。 以下の式で、対数の差分(左辺)は、上昇率(右辺)であることに注意 以下の需要曲線の弾力性は © Yukiko Abe 2017 All rights reserved
© Yukiko Abe 2017 All rights reserved 計算問題:弾力性の計算(2) 差分をとって考える ここで、Xはwが変化したときに変化しないとすると、 。 対数の入っている項をまとめると © Yukiko Abe 2017 All rights reserved
© Yukiko Abe 2017 All rights reserved 計算問題:弾力性の計算(3) たとえば、対数を取る方法は、以下のような需要曲線も、応用できる。 © Yukiko Abe 2017 All rights reserved
© Yukiko Abe 2017 All rights reserved 税の負担割合:弾力性の逆数の比 間接税の負担は、弾力性の逆数の比に比例することが知られている→弾力性の低い経済主体に課税するほうが、課税の仕方としては効率的である。 弾力性の大きい経済主体は、税の負担を「避ける」ことができる反面、それが小さい主体は避けることができず、結果として税を負担することになる。 © Yukiko Abe 2017 All rights reserved
© Yukiko Abe 2017 All rights reserved 【補足】 自然対数の微分 自然対数 の に関する微係数は である。ただし、 . このことは、自然対数は指数関数の逆関数であり、指数関数の微係数はもとの関数そのものになることから理解できる( )。 © Yukiko Abe 2017 All rights reserved
© Yukiko Abe 2017 All rights reserved 自然対数(1) © Yukiko Abe 2017 All rights reserved
© Yukiko Abe 2017 All rights reserved 自然対数(2) ln(x)の差は、近似的に変化率になる ただし、 先の公式に沿って、自然対数を微分する このことは、 において、微係数が1であることを意味する。 © Yukiko Abe 2017 All rights reserved
© Yukiko Abe 2017 All rights reserved 自然対数(3) このことは、先の図でいうと、 ln(x)の における傾きが、1であることを意味する。 ln(1)=0であるので、このことは、先の接線は となる。 © Yukiko Abe 2017 All rights reserved
© Yukiko Abe 2017 All rights reserved 自然対数(4) つまり、ln(x) の (1,0)における接線は であるので、接線がln(x)を近似していることから である。これから、以下が成り立つ: © Yukiko Abe 2017 All rights reserved