財務 1.会計の基礎知識 2.資金計画 3.資金調達.

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財務 1.会計の基礎知識 2.資金計画 3.資金調達

1.会計の基礎知識 商売を成功させるための鉄則 (1)入るを計って出を制する お金を稼ぐには先ず節約。(コストダウンと経費の節約) お金の出入はしっかり帳尻を合わせ、採算を考える。(常に今日の損益を考える。) 資金の回転率を上げる。 (創業では用意できる資金に制約がある。百円の資金も10回転すれば千円になる。) 利幅を増やし、商売の元手と財産を蓄える。 黒字でも倒産する。(勘定あって銭足らず) (2)儲けるとは? 儲けるとは、信者を作ること。 (売る前のお世辞より、売った後の奉仕が大事、これこそが永久のお客を作る。) 提供する商品やサービスの価値をお客様が認めてくれ、それを購入してくれるからこそ儲かるのだと心得て欲しい。 信用は商売の命。 (3)倒産とは? 赤字が積もり積もって債務超過になり、約束を実行するための資金繰りに失敗したとき、事業の存続が困難になり倒産します。 逆に赤字が続いても資金繰りさえつけば倒産はしません。 帳簿上で黒字であっても、資金が不足して倒産することを黒字倒産といいます。

決算書(損益計算書・貸借対照表) (1)損益計算書とは? 損益計算書とは、企業が一定期間(会計期間)にどれだけ儲けたのかという経営の成績を明らかにする計算書です。 通常は、会計期間=事業期間ごとに作成するので年1回ですが、大企業では投資家への情報開示のため、四半期決算といって3ヶ月に1回作成しています。 個人事業の場合は、毎年12月末で締め切り作成します。  ☆ 損益計算書の中には、3つの収入、4つの費用、5つの利益があります。

(2)貸借対照表とは? 貸借対照表とは、営業活動を行った結果、財産はどれだけ増えたのかなど、企業の特定時点(期末時点)の財政状態を表すものです。 貸借対照表には、借方(資産)と貸方(他人の資本+自己の資金)で表されます。 貸方では、お金をどこから用意したのか? 借方では、そのお金を何に使ったのか? が記載されています。 自己資金の多い企業は安定性が高く、逆にこれがマイナスになっている状態を債務超過といいます。

計上されている資産は、本当にあるのだろうか? 貸借対照表はバランスシートといわれますが、これは、資産=負債+純資産 であることから、バランスしているという意味でいわれるものです。 しかし実際には、資産>負債+純資産 (資産超過) であったり、資産<負債+純資産 (債務超過)であったりして、バランスしていないことが見受けられます。 売掛金、貸付金、未収金などの中に回収不能、長期滞留しているものがないか? 商品(棚卸資産)の中に陳腐化したもの、売れ残ったもの、破損したものなど、今後売上に立つ見込みの無いものがないか? 固定資産の中に、償却不足のもの、実際には現物の無いものなどがないか? 存在のしない繰延資産はないか? その他の資産の中に、有価証券やゴルフ会員権のように時価が購入価格を大きく下回っているものはないか? また、返還の可能性のない差入保証金や権利金のようなものがないか?

売上、仕入、経費などの数字にごまかしはないのか? 帳簿上だけの売上(架空売上)は存在しないか? 逆に、売上を立てるべきであるものを隠してはいないか? 帳簿上だけの仕入は存在しないか? 本来は、今期の仕入とすべきものを来期以降の仕入とするようなことはしていないか? 固定資産の減価償却が正しく行われているか? 本来は経費とすべきものを貸付金というような処理を行っていないか? 棚卸資産、固定資産などの評価損の繰り入れをおこなっているか? うその数字を作らないために  日常業務は、ほぼ100%といってよいほど帳簿への記帳がおこなわれます。その帳簿(勘定項目)は、総てが貸借対照表と損益計算書に反映されることになります。  この帳簿記帳の際に、仕訳が行われるわけですが、これに間違いがあると「うそ」の数字となってしまいます。     ・ 売上は実態を表していますか? その際の仕訳に間違いはありませんか?     ・ 仕入は実態を表したもので、仕訳に間違いはありませんか?     ・ 経費の勘定項目は間違っていませんか?     ・ 入金の際の売掛金消しこみに間違いはありませんか?     ・ 固定資産購入、除却に間違いはありませんか?

儲けとお金の流れは違う 売上と仕入、入金と支払には必ず時間差がある 例えば次の例で考えて見ましょう。 損益と資金の流れの違い 損益計算(儲け) キャシュフロー(お金の動き) 原則 発生主義 現金主義 掛け売上 収益の計上 キャッシュの増加なし 掛け仕入 費用の計上 キャッシュの減少なし 在庫 費用とはならない 前期掛仕入の支払分および当期現金仕入分のキャッシュの減少 固定資産の購入 減価償却費の計上 購入年度にキャッシュの減少 固定資産の売却 売却価格と会計簿価の差額についてのみ、売却損・売却益として計上 売却価格分のキャッシュの増加

資金繰り改善のポイント (1)資金繰りの重要性 (2)危険な兆候が見られたら、先ずは用心し注意を怠らぬこと 事業するには資金繰りが不可欠であることを忘れないことが必要です。 必要なとき、必要な資金がないと事業は継続不能となります。 赤字が続けば資金が無くなり当然倒産 黒字でも資金繰りが行き詰れば倒産(黒字倒産) 事業を拡大・発展させるには資金(設備費・研究開発費など)が必要 (2)危険な兆候が見られたら、先ずは用心し注意を怠らぬこと ① 攻めの経営だけでは、突然の資金不足に陥りやすくなります。不況抵抗力の強いスリムな体質を構築するために、仕入対策(粗利益管理、限界利益管理)や経費管理を常に心がけることが肝要です。 ② 注意信号をキャッチしたら早めに手を打ちましょう。 ☆注意信号とは? ・ 売上不振と利益低下、コスト増加と利益減少 ・ 売上債権の増加、棚卸資産の増加 (3)債務の膨張・借入金の急増に注意 債務膨張が「金詰り」・「債務不履行」を引き起こし倒産への道につながります。 即ち、売上不振・利益低下など業績不振による赤字の累積 ⇒ 自己資本を食い潰し、他人資本(負債)への依存度アップ ⇒ 買掛金・支払手形など仕入債務の急増 ⇒ 支払いに追われて金詰り 自己金融力を超える借入金は火の車の前兆

(4)売上債権と在庫の増加に注意 (5)資金繰り改善のための着眼ポイント 放っておくと知らぬ間に増えるのが売上債権(売掛金・受取手形)と在庫。 売上債権・・・・回収管理、与信管理の徹底(与信限度額の設定)、早期回収努力 ・回収管理、与信管理には特に注意。 現金商売でない限り、売れるからと言って野放図に売上を増やさない。 取引は売る事で終わるのではなく、資金が回収されて初めて完了する。 在庫・・・・大きな資金が必要、ロスも発生 ⇒ 回転重視、効率化 (5)資金繰り改善のための着眼ポイント 1) 売上と仕入、入金と支払の時間差をうまく使う 資金が最も楽なパターンは 「 3 」 しかし、上記のパターンが常にベストとはいえない。 仕入は現金の方が容易 売り手(仕入先)にとっては資金調達が必要になり、買値が高くなる。 販売は売掛け、クレジットカードの方が容易。

3) 商品管理強化により商品回転率の向上とロスの発生を抑制します 4) 手元流動性を確保して「資金ショート」を回避する 2) 無理のない借入金に努める 3) 商品管理強化により商品回転率の向上とロスの発生を抑制します 4) 手元流動性を確保して「資金ショート」を回避する 5) 「企業間信用」をうまく活用する *与信限度や支払い条件は、日ごろの取引と商売上の慣習から決まります 仕入先や外注先に支払いを遅らすよう協力を求める   ⅰ)支払期日を先延ばしにしてもらう   ⅱ)現金決済を手形決済に変えてもらう   ⅲ)支払手形の期日を今までより長くしてもらう。 得意先に回収を早くしてもらうよう協力を求める   ⅰ)売掛金の回収期間を短縮してもらう   ⅱ)手形決済を現金決済に変えてもらう   ⅲ)受取手形の期日を今までより短くしてもらう 6) 資金繰り表で確実な支払予定を立てる 7) 資金繰り改善のカギは、「損益分岐点の引き下げ」と「自己資本の充実」

収支計画(損益計画) (1)月次損益計画を立ててみよう  これから事業を始めようと言う段階では、月次の損益計画を作成するのは大変難しいことですが、これを作成することにより、事業の振り返り(PDCAのサイクルを回す)をすることに役立ちます。  なぜ、計画通りに売り上げがならなかったのか? 売り上げが計画を下回った時だけでなく、売上が計画を上回ったときにも、その原因を分析します。  売上が計画を下回っている時には、 計画通りの売上を上げるためには何をすべきか、 計画を修正すべきか、 などを検討することが望まれます。  売上が計画を上回っている時も、 一時的な要因なのか、 恒常的に達成可能なのか、 などを検討します。  この繰り返しを行っていくことにより、事業を軌道に乗せることが出来るのです。

① 売上計画の数値の裏付けを明らかにしておく (2)損益計画を立てる際の留意点 ① 売上計画の数値の裏付けを明らかにしておく これくらいなら売れる筈だとか、これくらいの売上は欲しいといった希望的観測によって数値計画を作成するのではなく、数値の根拠を明らかにしておく必要があります。 これがないと、事業をスタートさせた後の見直し作業(PDCAのサイクルを回す)が出来なくなります。 ② 売上は少なめ、経費は多目に 売上は自分ではコントロールできません。経費はコントロールは可能ですが、いつ何時どのような経費が発生するのか予測がつきません。経費については考えられるものはすべて計画に織り込んでおくくらいの保守的な考え方が必要です。 これを行うと、利益が出ない計画になることを心配する方が多いですが、赤字になっても会社は潰れません。 会社が潰れるのは資金繰りがつかない場合であることを忘れず、資金計画を作成することが必要です。 ③ 費用収益対応の原則 重要な会計原則に、費用収益対応の原則があります。その期に計上できる売上原価(費用)は、その期の売上に見合ったものに限られます。 当期売上原価=期首在庫額+当期仕入額-期末在庫額 ④ 必要な経費は網羅しているか、無駄な費用が計上されていないか 必要な経費をすべて洗い出し計上することは言うまでもありませんが、その中に不要不急な無駄な費用が含まれていないかを検証することも必要です。

(3)損益計画のひな型

損益分岐点を把握しよう 損益分岐点(Break Even Point=BEP)とは、売上高と費用総額が同額になる、即ち、利益も出ないが赤字も出ないとなる売上高のことです。この損益分岐点売上高以上の売上が確保されれば利益が出て、それ以下だと損失が出る(赤字となる)、極めて重要な指標となる売上高です。 費用は、その性格から大きく次の二つに便類することが出来ます。 小売業などでは、「売上原価」を変動費、「経費」を固定費と考えても間違いはないと思います。

損益分岐点売上の算出方法 限界利益 変動費率とは、売上高に占める変動費の割合です。 小売業などでは、簡便的に次の計算式で損益分岐点を計算することが出来ます。 限界利益 限界利益とは、売上高から変動費を差し引いたものです。 従って、限界利益額が固定費をカバーしていれば、利益が出ることになりますし、固定費をカバーしきれないときには赤字になってしまいます。

必要年間売上高 損益分岐点の計算式を利用して、必要な売上高を求めることができます。 簡便的には、

資金繰り表 (1)資金繰りの役割 (2)資金繰り表で確実な支払予定を立てる ① 資資金繰り表作成の前提条件 資金繰りは、会社の資金の過不足だけを把握すればよいというものではありません。 ・日々の支払いを円滑に行うために「お金の出入り」をコントロールすること。 ・向こう1年間くらいまでの資金繰りの状態を把握し、資金不足であればその手立てを打つこと。 ・日々の無駄な支出をつかみ、是正することにより資金繰りを楽にすること。 ・会社の長期的成長という視点に立って、経営の判断材料にすること。 (2)資金繰り表で確実な支払予定を立てる ① 資資金繰り表作成の前提条件 金繰り表に金額を記入・作成し、資金の動きを予測するためには、次の全体条件をはっきり決めておく必要があります。 ・売上予測(毎月の売上がいくらなのか)と仕入予測 ・売上代金の回収条件(売り上げがいつ現金として入金されるのか) ・仕入れ代金の支払い条件(仕入れ代金はいつ支払うのか) ・借入金の返済条件(借入金の返済予定はどうなっているのか) ・設備投資の時期と予算

②資金繰り作成のポイント (3)資金繰り表のひな型 ・資金不足を前もって把握し、その手立てを打つことが、資金繰りの大きな役割の一つであるので、入金予測は保守的に見積もり、出金予測は多目にが鉄則。 ・支払日と支払金額は取引先との約束事、必ず守って間違いなく実行できるようにすること。 ・記入に当っては、「現金繰越残高」「入金予定の内訳」「出金予定の内訳」「差引過不足」を細大漏らさず書き込んでチェックすること。 ・当月分のみならず、翌月・翌々月の見通しまで立てた「3ケ月単位の資金繰り表」を作るようにすること。 ・毎月の収益・費用と現金の流れをつかむには、月次試算表による計数管理が欠かせません。この際には、資金調達面では、自己資本と他人資本の増減、仕入債務(支払手形と買掛金)の増減、借入金の増減をチェックし、資金の運用面では、手元流動性、売上債権(受取手形と売掛金)の増減、在庫の増減をチェックすることが重要となります。 (3)資金繰り表のひな型

2.資金計画 1)開業資金と運転資金の算出 ※固定費(人件費や家賃など)をいかに低くするかが重要 事業は投資した上で、収入を得てと再投資を繰り返すことです。 どうやって資金を確保し、商品やサービスを提供して収益を得るのか。 その金の流れやその周期を把握し、コントロールして事業活動を継続できるよう、 確実に運用するのが資金計画です。 1)開業資金と運転資金の算出 開業資金 □事務所や店舗の取得費用 □改装や設備の導入費用 □備品を揃える費用 □開業を告知するための広告・宣伝費用 □商品等の仕入費用 □退職後、独立して収入を得るまでの生活費(※) 運転資金 □人件費 □事務所や店舗の維持費 □商品等の仕入費用 □細かな備品や各種消耗品費用 □交通費や通信費など活動経費 □借入金の返済 ※固定費(人件費や家賃など)をいかに低くするかが重要

2)自身の資金力の洗い出し □自己資金 (預貯金、積立金、保険・共済、有価証券、不動産、自動車、貴金属、書画・骨董、 退職金、その他) □負債 (各種ローン、滞納金、その他) □生活費 (衣食住の費用、日々の経費、緊急時の費用、その他)

3.資金調達 1)調達金額の決定 2)資金調達方法と調達先 ②地方自治体(都道府県、市区町村) 事業に必要な資金から自己資金を差し引いた残り不足分をすべて調達に頼るのではなく、開業資金を見直し減額修正したり、自己資金の見落としを資産参入したりして、調達必要額の減額に努めます。 2)資金調達方法と調達先  VC(ベンチャーキャピタル)や都市銀行はハードルが高い。  公的資金が有利 ①日本政策金融公庫   (創業2年以内、3,000万円 利率3%以下、運転max1,500万円・設備) ②地方自治体(都道府県、市区町村)   杉並区 創業1年以内 1,500万円 運転・設備、利率2%、利子補給1.33%) ③地方銀行(地銀、信金、信組) 3)調達コスト  融資のケースは、元金に利息を考慮しなければならない。  この利息:調達コストや、出資者への配当も配慮が必要。

助成金とは、融資とは異なり、返済の必要がない資金を指します。 4)助成金制度  助成金とは、融資とは異なり、返済の必要がない資金を指します。 創業・第二創業促進補助金   (平成25年度より実施)    補助対象経費 人件費、賃借料、設備費、広告宣伝費、等創業や新事業に必要な経費    補助額 (補助率2/3) 100万円から200万円    留意点 認定支援機関から特定創業支援事業の認定が必要 助成金の交付は事業完了後となるため、助成事業期間中は金融機関からの借入等で自己調達が必要 東京都創業助成事業   (平成27年度より実施) 人件費、賃借料、設備費、広告宣伝費、等創業期に必要な経費 100万円から300万円