薬品分析学3.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
画像処理・実習 第五回: 空間フィルタ (特徴抽出,ラプラシアン,鮮鋭化) 東海大学 情報理工学部情報メディア学科 濱本和彦.
Advertisements

生物統計学・第 5 回 比べる準備をする 標準偏差、標準誤差、標準化 2013 年 11 月 7 日 生命環境科学域 応用生命科学 類 尾形 善之.
放射線の計算や測定における統計誤 差 「平均の誤差」とその応用( 1H) 2 項分布、ポアソン分布、ガウス分布 ( 1H ) 最小二乗法( 1H )
1.ボイルの法則・シャルルの法則 2.ボイル・シャルルの法則 3.気体の状態方程式・実在気体
◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
ローレンツ曲線とジニ係数 度数分布表の応用 ローレンツ曲線の意味 ローレンツ曲線の作成 ジニ係数.
医薬品素材学 I 1 物理量と単位 2 気体の性質 1-1 物理量と単位 1-2 SI 誘導単位の成り立ち 1-3 エネルギーの単位
生体分子解析学 2017/3/2 2017/3/2 機器分析 分光学 X線結晶構造解析 質量分析 熱分析 その他機器分析.
・力のモーメント ・角運動量 ・力のモーメントと角運動量の関係
医薬品素材学 Ⅰ 相平衡と相律 (1) 1成分系の相平衡 相律 クラペイロン・クラウジウスの式 (2) 2成分系の相平衡 液相―気相平衡
薬品分析学3.
化学反応式 化学反応:ある物質が別の物質に変化 反応物 → 生成物 例:酸素と水素が反応して水ができる 反応物:酸素と水素 生成物:水
環境中のポリ塩化ナフタレンの分析手法開発に関する検討
薬品分析学3.
生体分子解析学 2017/3/ /3/16 機器分析 分光学 X線結晶構造解析 質量分析 熱分析 その他機器分析.
医薬品素材学 I 4 物質の状態 4-1 溶液の蒸気圧 4-2 溶液の束一的性質 平成28年5月20日.
薬学物理化学Ⅲ 平成28年 4月15日~.
薬品分析学3.
HPLCにおける分離と特徴 ~逆相・順相について~ (主に逆相です)
課題 1 P. 188 解答 ΔvapS = ΔvapH / T より、 T = ΔvapH / ΔvapS 解答
薬品分析学3.
臨床検査のための代替キャリブレーション:ノルトリプチリン治療薬モニタリングへの応用
○ 化学反応の速度     ・ 反応のある時点(たいていは反応開始時、ξ=0)について数値      として示すことが可能
本時の目標 正の数・負の数の加法と減法の混じった計算のしかたを理解し、その計算ができるようにする。
伝達事項 質問: W = −U にしなくて良いのか?どういう時に “−” (マイナス符号) がつくのか? 解答:
薬品分析学3 第1回:概論.
1 式の計算 1章 式の計算 §2 単項式の乗法・除法         (2時間).
薬品分析学3.
科学的方法 1) 実験と観察を重ね多くの事実を知る 2) これらの事実に共通の事柄を記述する→法則 体積と圧力が反比例→ボイルの法則
生物機能工学基礎実験 2.ナイロン66の合成・糖の性質 から 木村 悟隆
速度式と速度定数 ◎ 反応速度 しばしば反応原系の濃度のべき乗に比例 # 速度が2種の原系物質 A と B のモル濃度に比例 ⇐ 速度式
HPLCにおける分離と特徴 ~理論段数について~
逆相と順相(歴史) 順相クロマトグラフィー 担体:未修飾シリカゲル 逆相クロマトグラフィー 担体:修飾シリカゲル(オクタデシルシリル化)
◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
原子核物理学 第4講 原子核の液滴模型.
学習の流れ 本時のねらい 「2次方程式を利用して、いろいろな問題を解決しましょう。」 ↓ 課題の提示 カレンダー 図形での活用場面4
課題 1 ⇒ V = VW nW + VE nE 溶液の体積を 1000 cm3 とすると、 溶液の質量は?                        水、エタノールの物質量は?
クロマトグラフィーで定量をどのように行う?
中学数学1年 1章 正の数・負の数 §3 乗法と除法 (9時間).
平行線と面積 平行な直線と面積の 関係を考えます。.
22章以降 化学反応の速度 本章 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現
レポートの書き方 ホチキス (ノリ付け不可) レポート(宿題): 鉛筆不可 演習、ミニテスト: 鉛筆可 左右上下に 25mmの マージン
平行線の性質を使って、面積の等しい図形について考えてみよう。
情報処理Ⅱ 第2回:2003年10月14日(火).
課題 1 P. 188.
移動現象論II(担当 金原) 一般目標: 諸現象の定式化 定式化した結果の活用法 実装置、実現象への適用 個別目標: 物質移動現象の理解
論理回路 第4回
◎ 本章  化学ポテンシャルの概念の拡張           ⇒ 化学反応の平衡組成の説明に応用   ・平衡組成       ギブズエネルギーを反応進行度に対してプロットしたときの極小に対応      この極小の位置の確定         ⇒ 平衡定数と標準反応ギブズエネルギーとの関係   ・熱力学的な式による記述.
誘導体化を用いた フッ素テロマーアルコールの高感度分析 ○竹峰秀祐 環境省 環境調査研修所.
薬品分析学3.
今後の予定 (日程変更あり!) 5日目 10月21日(木) 小テスト 4日目までの内容 小テスト答え合わせ 質問への回答・前回の復習
水ジェットキャビテーションによる 有機物分解効率の向上に向けた基礎研究 2002年12月26日
5年 算数 「面積(平行四辺形)」.
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
宿題を提出し,宿題用解答用紙を 1人2枚まで必要に応じてとってください 配布物:ノート 2枚 (p.85~89), 小テスト用解答用紙 1枚
α decay of nucleus and Gamow penetration factor ~原子核のα崩壊とGamowの透過因子~
博士たちの愛する円周率 徳山 豪 東北大学 “PI” that professors love
化学1 第11回講義 ・吸光度、ランベルト-ベールの法則 ・振動スペクトル ・核磁気共鳴スペクトル.
モデルの微分による非線形モデルの解釈 明治大学 理工学部 応用化学科 データ化学工学研究室 金子 弘昌.
平成16年2月23日月曜日3校時 福嶺中学校コンピュータ室 山口 勇一
課題 1 ⇒ V = VW nW + VE nE 溶液の体積を 1000 cm3 とすると、 溶液の質量は?                        水、エタノールの物質量は?
下の図のように、直角三角形と正方 形が直線ℓ上に並んでいる。 8cm 8cm ℓ 8cm 8cm.
1辺が12㎝の正方形ABCDで、点P、Qは同時に頂点Cを出発して、Pは秒速2㎝で辺BC上をBまで動き、Qは秒速1㎝で辺CD上を動きます。
GC/MSによるノニルフェノキシ酢酸類の分析
電解質を添加したときの溶解度モデル – モル分率とモル濃度
V = VW nW + VE nE ヒント P142 自習問題5・1 溶液の体積を 1000 cm3 とすると、 溶液の質量は?
本時の目標 いろいろな立体の表面積を求めることができる。
プログラミング 平成28年10月18日 森田 彦.
固体→液体 液体→固体 ヒント P131  クラペイロンの式 左辺の微分式を有限値で近似すると?
ヒント (a) P. 861 表22・3 積分型速度式 のどれに当てはまるか? (b) 半減期の定義は?  
Presentation transcript:

薬品分析学3

質問事項1 質問にいってもあえない。いつ行けばあえるか? 答:夕方5時以降は研究室にいることが多いです。 この時期講義と実習で留守がちで申し訳ありません。 粘り強く訪ねてきて下さい。すいません。 実返却の課題がある。 答:これまで回収されずに戻ってきたレポートを持ってき たので後で探して下さい。 プリントを探せば答があるようにしないのか。 答:問題を解いて勉強してもらったほうがよいものがある ので、そのようなことがらは問題演習の形で勉強してもら っています。説明すると逆にくどくて解りにくいこともあ ります。

演習 ガスクロマトグラフィーに関する次の文章の正誤を答えなさい。間 違っている場合は、何が間違っているかも答えること。 ハロゲンに対する選択性はない(C-H結合を有する化合物を広く 検出できる) 1: ◯, 2: ◯ 難揮発性物質はGCでは分析が困難

宿題 半値幅法でピーク面積の概算値が計算できることを数学的に証明しなさい。 理論段数の式3-17 (P194) で、理論段数が大きくなる程ピークの半値幅が狭くなることを数学的に証明しなさい(予習項目)。

宿題 半値幅法でピーク面積の概算値が計算できることを数学的に証明しなさい。 ピーク面積は三角形 ≈ で近似できる。 三角形面積 = (1/2)X底辺X高さ 半値幅 = (1/2)X底辺 よって、 三角形面積 = 半値幅X高さ

宿題 理論段数の式3-17 (P194) で、理論段数が大きくなる程ピークの半値幅が狭くなることを数学的に証明しなさい。 理論段数 N(W0.5h)2 = 5.54X(tR)2 (W0.5h)2 = {5.54X(tR)2}/N W0.5h = ±[{5.54X(tR)2}/N](1/2) 半値幅は正の値 (W0.5h > 0) のため、 W0.5h = [{5.54X(tR)2}/N](1/2) = tR(5.54/N)(1/2) N の時、 5.54/N かつ [5.54/N](1/2) よって W0.5h

定性分析・定量分析 教科書P209 図3-42 化合物Bの保持時間 化合物Aの保持時間 ピーク高さ 半値幅 化合物ごとに保持時間(tR)が異なる tRの比較から同一化合物かどうか定性的評価が可能 ただしtRが偶然同じ別化合物の可能性は完全には否定できない 機構の異なる別のクロマトグラフィーでのtRの評価も必須

定性分析・定量分析 教科書P209 図3-42 化合物Bの保持時間 化合物Aの保持時間 ピーク高さ 半値幅 保持容量(VR) = tR•F F: 単位時間当たりの移動相(溶媒)の流速 (mL/min) VR: サンプルがカラムから溶出するまでの移動相(溶媒)体積

理論段数・理論段高さ 化合物Bの保持時間 化合物Aの保持時間 ピーク高さ 半値幅 理論段数 Nが大きい程ピークの半値幅が狭い = 分離度のよいカラム 理論段高さ カラム長(L)をNで割った理論段 一段当たりの高さ

保持比(質量分布比) 化合物Bの保持時間 化合物Aの保持時間 ピーク高さ 半値幅 または、質量分布比; キャパシティファクター 保持比

分離係数・分離度 化合物Bの保持時間 化合物Aの保持時間 ピーク高さ 半値幅 分離係数 分離度

シンメトリー係数 シンメトリー (symmetry) = 対称性 シンメトリー係数 (S):溶出ピークの対称性の指標 W0.05h S = 2f ピークは対称 なのが良い 対称の時: S = 1 テーリング時: S > 1 リーディング時: S < 1 テーリング:ピークの後ろ側がだらっとする リーディング:ピークの前側がだらっとする

定性分析・定量分析 教科書P209 図3-42 化合物Bの保持時間 化合物Aの保持時間 ピーク高さ ピーク 面積 同一化合物では ピーク面積 ∝ サンプル量 (mol) 定量分析が出来る理由 ピーク高さ ∝ サンプル量 (mol)

保持比(質量分布比) 化合物Bの保持時間 化合物Aの保持時間 ピーク高さ 半値幅 ピーク 面積 同一化合物では 化合物A 化合物B ピーク面積A ∝ サンプル量 (x mol) AA = C1A•x AB = C1B•x 化合物ごとに異なる 化合物ごとに比例定数 (C1A, C1B) を決めれば面積から定量出来る

定量(検量線) 化合物A AA = C1A•x 定量したい サンプルの面積値 C1Aが決定 C1は化合物ごとに異な る AA / mm2 する x1 x / mol 定量したいサンプルのモル数

定量(検量線):注意点 化合物A AA = C1A•x 定量可能なサンプル量の範囲 定量したい サンプルの面積値 比例関係が確認された AA / mm2 比例関係から外れた 検量線測定点 x1 x / mol 定量したいサンプルのモル数

検量線作成法 化合物A AA = C1A•x 検量線作成時の問題点 厳密なサンプル量を量りとりカラムに導入するのが難しい x1 mol 量りとったつもりがx1+Δx mol 面積AAが、x1 molに対する真の値から ずれる AA / mm2 面積AAのずれを覚悟の上、作成した 検量線から定量する方法 x1 x2 x3 絶対検量線法 x / mol 量り取ったサンプルの絶対量を正しいとして検量線をひくため

検量線作成法 厳密なサンプル量を量りとりカラムに導入するのが難しい 問題点解決法 サンプルA 内標準物質 導入容量 検量線作成溶液1 x1 mM C mM v+Δv1 mL 検量線作成溶液2 x2 mM C mM v+Δv2 mL 同一濃度 導入体積 の誤差 導入体積 の誤差 内標準物質 t /s t /s サンプルA

検量線作成法 厳密なサンプル量を量り取りカラムに導入するのが難しい ピーク面積 AR1 AA1 AR2 AA2 導入体積 の誤差 内標準物質 t /s t /s サンプルA AR1、AR2が導入溶液体積に比例 ピーク面積比AA1/AR1、AA2/AR2 (内標準物質に対する相対量) が 体積誤差の補正されたよい値 内標準法

演習 ガスクロマトグラフィーに関する次の文章の正誤を答えなさい。間 違っている場合は、何が間違っているかも答えること。 液体クロマトグラフィーに関する次の文章の正誤を答えなさい。間 違っている場合は、何が間違っているかも答えること。

演習 クロマトグラフィーに関する次の文章の正誤を答えなさい。間 違っている場合は、何が間違っているかも答えること。

宿題(締切: 5/15 12:00) カラムクロマトグラフィーのパラメータ1~4について、カラム長 に依存するものと、依存しないものに分けなさい。              その理由も答えること。