ピタゴラス All is Number
ピタゴラスについての評判 すべての人間たちの なかで最もよく研究 に励んだ。 (ヘラクレイトス) まことに、その人は 思慮の最大の富をわ がものとし、わけて も、ありとあらゆる 賢い業に通じていた。 (エンペドクレス)
ピタゴラス 580BC-500BC ギリシャのサモス島 (イオニア地方)の 生まれ;宝石職人の 子。 哲学者タレスの弟子 となり、エジプト に 遊学。 アレキサンドリアで 当時最先端の科学を 学んで帰国。
ピタゴラス(続) 独裁体制 の進むサモス島を去って南イタリ アのクロトンに倫理政治アカデミー( ピタ ゴラス教団)を設立。 <サモスの賢人>、<クロトンの哲学者> と呼ばれた。
サモス島 イオニア地方 の海岸に面し たギリシャの 島
ピタゴラス教団 ピタゴラスの作った一種の宗教団体。 ピタゴ ラスの教えを守り、ピタゴラス没 後の紀元前4世紀末まで存続。 永遠の真理を学ぶ手段として数学や音楽を 重視。 ピタゴラス自身は何も書物を書き残してい ないが、教団の業績は顕著。
ピタゴラス教団(続) プラトンやアリストテレスの哲 学に影響 を及ぼし、数学ならびに西洋合理哲学の発 展に大きく寄与。 教団は、宗教的、政治的、哲学的信条に基 づいたものであった。 教団のメンバーは輪廻転生を信じていた。 ピタゴラス自身は、自分の前世はトロイ の戦士だと考えていた。
クロトン 南イタリア にあったギ リシャの植 民地
エピソード ピタゴラスは子供の頃から幾何学的直観 に優れていた 子供の頃、ピタゴラスが薪を運んでいると、通 りかかった人がピタゴラスに声をかけてきまし た。そして、 ピタゴラスにその背負っている薪 を降ろしてもう一度積んで見せてくれるように 頼んだのでした。薪を積むのを見たその人は、 その組み合わせ方 に感心して、ピタゴラスに学 者になることを勧めました。
数の不思議 All is number. ピタゴラスにとって、 ピタゴラスは、<万物は数の関係に 従って秩序づけられる。>と考えた。 <数こそが世界をかたちづくるエッセ ンス>であり、数は<ある幾何学的な 形を伴って実在するもの>であった。
数の不思議(続) ピタゴラスは、 この考えの発見は、 西洋の科学的伝統において、たいへん 重要な一大事件であった。 『形=数』は<人間と対象物を取り 結ぶ仲介者>と考えた。 この考えの発見は、 西洋の科学的伝統において、たいへん 重要な一大事件であった。
数の形 3角形、4角形、 6角形…
Tetractys(4個の組) 特別な意味を持つ形 10(完全数)に対応 各辺が4個の正三角形 1+2+3+4=10 10は神聖な数 両手の指の数に等しい 我々の存在のもととなる永 遠性を表す
黄金数
黄金数の神秘 星形五角形 教団のシンボル 対角線が互いに黄金 数の比で分割し合う 交点を結ぶと、1/ 黄金数に縮小された 星形五角形 が出現す る この操作を繰り返す と各々1/黄金数に 縮小した星形五角形 の無限列を生成する
黄金数の神秘(続) 美術や建築における黄金数 自然の中の黄金数 昔から黄金分割が意識的あるいは無意識的に 用 いられてきた。この事実には、私達の美意識を 支えているものの神秘が 隠されている。 自然の中の黄金数 タンポポの葉序からエイズウイルスに至る まで 黄金数は私達の身の回りのそこここに存在する。
絵画構図と黄金数
ひまわりの葉序と黄金数
音の不思議 Tetractys ピタゴラスは「音の科学」の祖。 音に対して初めて科学的なアプローチを試 みた。 <音程は数の比で表される>という事実は、 画期的な発見であった。 オクターブ 1:2 五度 2:3 四度 3:4 Tetractys
音の不思議(続) 純正調のルーツ ピタゴラスは音の調和 (ハーモ ニー)に神秘 を直観。 調和的な音による音階 を探求した。 一 弦琴(モノコード) を用いた研究により、 ピタゴラス音律(リデ イア旋法)を確立した。 純正調のルーツ
天文学 Tetractys 「地動説」をとっていた。 中心に「火(かまど)」があり、その周り を太陽や月、地球など、10個の星が回転 していると考えた。 実際、9個の惑星しか観測されなかったの で、「対地星」という観測されない星の存 在を仮定して、10個の星が回転している とした。
ピタゴラスの宇宙
ピタゴラス/ピタゴラス教団の業績 音楽 数論 幾何学 ピタゴラスの定理、三角形の内角の和、 正五角形 の作図、正多角形による平面の 埋めつくし、正多面体の種類 数論 黄金数、形象数、無理数の発見 音楽 音 の高さと数の比例、完全5度の発見、ピ タゴラス音階
ピタゴラスの言葉 思考は<概念の移ろい>である。 理性は不滅であるが、他のものは滅びる。 多くのことについて僅かに語るよりも、僅 かなことについて多くを語るべきである。 強健な肉体よりも、強健な精神を選択せよ。 美徳(大切なこと)は調和である。