行列式 方程式の解 Cramerの公式 余因数展開.

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行列式 方程式の解 Cramerの公式 余因数展開

2元1次連立方程式の解 x を求めるには(1)×d-(2)×bとして -) 同じく y を求めるには(1)×c-(2)×aとして

行列とベクトルで表現 行列 に対して定義される行列式 を考える. [注] 行列式は スカラー値 先に導いたx, yの解 と書ける. 行列          に対して定義される行列式 を考える.  [注] 行列式は スカラー値 先に導いたx, yの解 の分母は 行列式.では分子は? 実は以下のように書ける.

行列式は タスキがけ 右斜め下への掛け算 ー 左斜め下への掛け算 方程式の解の分子も,何かの行列の行列式 行列式は タスキがけ 右斜め下への掛け算 ー 左斜め下への掛け算 方程式の解の分子も,何かの行列の行列式 xの分子:xの係数を定数項と置換しタスキ掛け yの分子:yの係数を定数項と置換しタスキ掛け 乗算の符号が正 乗算の符号が負

行列式の幾何学的解釈 2ベクトルが形成する 平行四辺形 の面積 [証明」 直線BCのy切片をDとする. 2ベクトルが形成する 平行四辺形 の面積 y [証明」 直線BCのy切片をDとする. この直線は点(b,d)を通り,傾きはc/aだから △OBD≡△ACE(合同)だから,平行四辺形OACBと平行四辺形OAEDの面積は等しい. 平行四辺形OAEDの高さはaであり,底辺ODは, 直線BCのy切片の値で,(1)で x=0 として よって,平行四辺形の面積は,底辺×高さで C E B(b,d) D (1) A(a,c) x O a

方程式      の解の幾何学的解釈 xの解                    の 分母は                 が作る平行四辺形の面積 分子は         と  が作る平行四辺形の面積 よって, xは2つの平行四辺形の 面積比 方程式を                     とみなすと xは赤枠の平行四辺形に対する,青枠の平行四辺形の面積比 yは赤枠の平行四辺形に対する,緑下線の平行四辺形の面積比 

の行列式 det Aの性質 転置行列の行列式は元の行列と 等しい 行の交換または列の交換は (-1) ×元の行列式 転置行列の行列式は元の行列と 等しい 行の交換または列の交換は (-1) ×元の行列式 行 列 行または列が同じ行列の行列式は 0 行が同じ 列が同じ

特定の1行または1列のλ倍は λ×元の行列式 特定の1行または1列に加算した場合 1行をλ倍 1列をλ倍 行に加算 列に加算 元の行列式+加算分の行列式 元の行列式+加算分の行列式

特定の行に他方の行のλ倍を加算の場合 または特定の列に他方の列のλ倍を加算の場合 いずれも,もとの行列式のまま   行の場合                とすると   列の場合              とすると 上三角行列の行列式は 対角要素の積 対角要素よりも下の要素がすべて0の行列       に対する上三角行列は   このとき

3元連立一次方程式の解と行列式 (2)(3)でy,zに注目 zを消去して 引き算でyのみに 行列式で表現 yを消去してzのみにするのも同様に (4) (5)

(1)に             をかけて これに(4),(5)を代入して xで整理して

つまり xの係数を定数項で置換しているので 分母を書きだすと これを と定義する. 分子は分母の a11→b1, a21→b2, a31→b3 と置換, つまり xの係数を定数項で置換しているので (6)

整然とした規則性 y, z でも同様に となり,きわめて整然とした規則性があることがわかる. 式(6)より,ある次元の行列式は,1つ低次元の行列式達に,特定の係数をかけたものの総和である. 分母の行列式は,x,y,zのすべてで 同一 分子の行列式は,該当する未知数の係数を 定数項 で置換したもの

n元一次方程式へ発展 は として, ,つまり,以下のように表記可能

Cramerの公式 解は先の規則から 分母はdet A 分子は,未知数の係数を定数項で置換した行列式

行列式の求め方 にも規則

行列式の性質を用いた行列式の計算 行列式の計算では,各行から要素を1回ずつもれなく取り出し掛け合わせる. 行列式の性質①から⑥で上三角行列を作る. 上三角行列になれば,対角以外の要素は0と掛けられる.よって,対角要素の積のみ Sarrusの公式   行列式の性質を利用 性質⑥ 性質⑥ 性質⑥ 性質⑦

遇置換と奇置換 行列式の計算では,各行から要素を1回ずつ もれなく取り出し掛け合わせる.(順列の考え方) 順列で作った各要素に符号をつけ, 右の添字は 1<2, 1<3, 2<3で反すること0回だから偶置換 順列で作った各要素に符号をつけ, 足し合わせる. 符号の付け方: 左の添え字の昇順の流れで,右の添え字が 昇順に反することが偶数回あるとき 符号は+(これを 遇置換 という) 昇順に反することが奇数回あるとき 符号はー(これを 奇置換 という) 右の添字は 2>1, 2<3, 1<3で反すること1回だから奇置換

行列式の計算の規則をよく見ると 右辺の行列式は a11の下側の要素が0の行列を考えるのと同じ 右辺の行列式にかかる符号は,赤枠の要素がaijなら とすると,偶置換,奇置換の計算結果とぴったり合う ← 0があるため,行列式の計算が楽になる

余因子 n次の行列式をaijで展開した式の項は aij× (-1)i+j × (第i行第j列が欠けた)n-1次の行列式 aijの余因子 Aij を下線部と定義する. Aij = (-1)i+j × (第i行第j列が欠けた)n-1次の行列式 [例]            を第1行で展開すると 第1列で展開すると

行列式の積 として det AB = detA detB を2次の行列で証明 だから 性質⑤ 第1列を分ける 性質⑤ 第2列を分ける 性質⑤ 第1列を分ける 性質⑤ 第2列を分ける 性質④ 第1・2列の 共通因数を外に出す

性質③ 同じ列なので0 r 性質②  列を交換すると 符号反転 以上はn次の(n×nの)行列式でも成立

逆行列の公式 の逆行列 を求める. AA-1=E だから Cramerの公式を用いれば,det A≠0として 分子は,分母を第1行第1列で展開した余因子

分子は,分母を第1行第2列で展開した余因子 分子は,分母を第1行第3列で展開した余因子 以上より x2, y2, z2, x3, y3, z3 も同様に計算すると 添字がAの 転置行列 と同じ順であることに注意